vol.65 コーヒーの本を、ちょっとだけ
こんにちは。
今日はコーヒーに関する本を、ほんのちょっとだけご紹介します。
1、『コーヒーの科学』
発行:講談社、著者:旦部幸博
理系×コーヒーといえばこの一冊。植物としてのコーヒー、「おいしさ」の仕組み、焙煎の仕組み、ドリップの仕組み、コーヒーの成分などなど、コーヒーを科学的な視点から観ています。理系の単語も出てきますが、ひとつずつテーマで区切られているので丁寧に読めます。
2、『コーヒーは楽しい』
発行:株式会社パイ インターナショナル、著者:セバスチャン・ラシヌ―、チュング‐レング トラン、訳:河 清美
絵で読むコーヒー教本と書かれた本書はフランス人の著者達による一冊を和訳したものです。オシャレでシンプルなイラストや図で、直観的にイメージを掴みやすく、またコーヒーにまつわるエトセトラや、淹れ方、焙煎方法、栽培など多岐に渡って書かれています。
3、『珈琲の世界史』
発行:講談社、著者:旦部幸博
1の著者が、国内外のコーヒーの歴史について縦横に書いたものです。コーヒーにまつわる伝説から2000年代のコーヒー事情まで書かれており、「物語」としても分かりやすく面白く読んでいます。新書なので手に取りやすいです。個人的には「サードウェーブ」という言葉の変遷に関する記述は興味深く読みました。
4、『珈琲時間』
上の3つと毛色が変わってマンガです。『ゴーグル』や『アンダーカレント』を描いた作者さんがオムニバス形式で描いています。群像チックなキャラクターが時にユーモラスに時にセンチメンタルに、映画的な画面構成の中に、コーヒーが舞台の道具として登場しているので、雰囲気を味わうにはうってつけ。作者の情報がほとんど無くて、そっちの方も気になります。風来坊なんですかね。
コーヒーの本自体は色々ありますが、僕が繰り返し読んで手に馴染んだ覚えのあるもの
、という括りで挙げてみました。「情報」も「おいしさ」につながる要素、という言葉を目にして、なるほどと思う今日この頃。
読んでも「おいしい」コーヒー、いかがっすかー。
短いですけど今日はこの辺で。
※8/29追記:発行元と著者を書いた方が良いということで、加筆修正しました。
vol.64 アンリミテッド・ブレンド・ワークス2
こんにちは。
焙煎は引き続きブレンドに挑戦してきました。
今回の先生は青山さん(以下:青)です。
僕:「今日もよろしくお願いします」
青:「よろしくお願いします。今回もブレンドをされる、ということですが」
僕:「ええ、でもその前に焙煎の度合いを確認したいので、ここで扱っている『ショコラ―タ』を飲ませてください」
青:「どうぞ」
僕:「(ズズー)…うん、今回はこれくらいの焙煎度合いでいこうと思います」
青:「ということは『シティ・ロースト』くらいですね」
僕:「そうですね」
前回は3種類の豆で2種類の焙煎度合いのブレンドをしたわけですが、今回の焙煎はシティローストで足並みを揃えることにしました。
そして今回は扱う豆は2種類、前回も使った「コロンビア」と「グァテマラ」です。
「キリマンジャロ」(タンザニア)を外したのは、今回は「キリッ」とした感じをあえて出さずにいこうと考えたからです。
いわゆる「マイルド」なブレンドをイメージしての目標設定です。
さぁ、レッツ焙煎。
~暖機中~
僕:「(前回のメモを見ながら)前はこのくらいの温度と時間だったので、それより遅いタイミングですね」
青:「そうですね、温度ももう少し高くなりますね」
僕:「分かりました、先ずはコロンビアから始めます」
暖機してから目安の温度まで下がったので豆を投入。
青:「どうですか?」
僕:「良い感じにスタートできました」
青:「段々慣れてきて、操作や記録にも以前よりは余裕が出てきたみたいですね」
僕:「けどやっぱりソワソワしますね…」
豆の中の「見えない部分」にまでイメージを巡らせると、ついソワソワしてしまいます。
豆が加熱により水分を飛ばしながら徐々に青っぽい臭いを出したり、色付いてゴールドに変わって香ばしくなっていく間も、状態は変わっているわけです。
何がどのように変わっているのか、その変化がどういう意味を持っているのかまで、少しの変化でも理解できるようになりたいです。
青:「もし、この段階で何か変わったところ、例えば青っぽい臭いが少ないとか、いつもと違うことがあれば、やっぱり最終的に出来上がってくる結果にも違いが出てきますからね。」
僕:「できるだけいつもの焙煎の状態を覚えておいて、判断材料を増やせるようにしたいです」
そうこうしているうちに1ハゼがきて、数分後…。
僕:「どうですかね?」
青:「今これぐらいでちょうどシティローストですね」
僕:「じゃ、出します(ザザー)」
以前よりも少し深めの落ち着いた茶色に仕上がりました。香りもよりローストが進んでいることを知らせてくれます。
青:「うん、良い感じですね」
そして続いて、グァテマラです。
僕:「ストップウォッチを押すのが少し遅かったので、+30秒くらいです」
青:「なるほど、温度推移は先ほどと同じくらいですね」
僕:「そうですね、なので体感でいうと同じくらいの変化の仕方です」
ここでお客さんが来店、その間に豆を出すか出さないかの時間が来てしまいました。
僕:「(うーん…時間的はこれくらいだなぁ)出しちゃお」
ザザー。
青:「もう少し遅くて良かったですね、これはハイローストくらいです」
僕:「うーん、やっぱり出すタイミング、色付き具合の判断が難しいです」
青:「最初と最後は難しいですよ」
ともあれ、出来上がったものをドリップして飲んでみることにしました。
青:「ドリップしたものをブレンドするやり方もあるので、やってみてください」
僕:「知りませんでした。やってみます」
青:「これなら、細かく割合を変えながら試せます」
それぞれドリップしたものを先ずは飲んでみました。
先ずはコロンビアから。
僕:「うん、これくらいの深さですね、この豆特有のオレンジっぽさもありつつ、前回よりもコクが出ました!」
そして、グァテマラ。
僕:「!?なんか前回の焙煎の時も感じたんですけど、他の二つに比べて上品、というか柔らかい感じがします」
青:「あーその捉え方はなかなか的を得ていると思います」
僕:「というと?」
青:「例えばグァテマラの隣ではコスタリカがあって、近いだけに両方とも似ている豆ではあるんですが、土地柄からくる風味の違いですかね、上品さをグァテマラにあてはめた時に、コスタリカはそれよりも力強い感じがするという人もいるんです」
僕:「面白い対比ですね!」
そして、それぞれを半分ずつ合わせたものを飲んでみました。
僕:「!!!上品で、オレンジみたいな風味もして、なんか新しい!」
目標にしていたマイルドからは少し離れてしまったのですが、良い意味で想像していなかったものが出来てしまいました。飲み口があまりに綺麗過ぎて、思わず本当にこれが自分が作ったものかと思うほど、お上品な仕上がりになっていました(笑)
僕:「うーんでもやっぱり、もう少しコクが欲しい…もう一回だけやらせて下さい」
青:「良いですよ」
ということで、グァテマラは再挑戦しました。
そして、焙煎後。
青:「さっきのコロンビアより気持ち深めですけど、まだシティくらいですね」
僕:「飲んでみます!!」
さっきより、コクが出てまた違う印象でした。
僕:「同じ豆でもこんなに違いが出るとは、恐るべし。これくらいだとマイルドっぽく落ち着いて飲めるかなと思います」
青:「グァテマラは、人によっては『コーヒーらしいコーヒー』というほどです」
僕:「飛び抜けた個性というよりは、オールラウンダーみたいな感じですかね」
先ほどのコロンビアと合わせてみると、より自分のイメージに近い、マイルドで落ち着いて飲めるものができました。
青:「せっかくなので、中国の焙煎士が焙煎したエチオピアと、ブラジルで焙煎されたブラジルも飲んでみてください」
僕:「わわ、ありがとうございます!!あ、飲んだことない味がします」
青:「両方ともミディアムローストくらいです」
それぞれが酸味を入口に、あとから風味をたくさん連れてくるような複雑で不思議な味。コーヒーの魅力はますます深まるばかりです。
まだまだ知らないことがたくさんあるなー。
今日はこの辺で。
vol.63 原宿リシュー~見立ての技術(ラテアート)~
こんにちは。
自分、悩みがあってですね。
「オシャレ」足りなくない?って…。
何言ってんだこいつ?とか言わない。
いやね、やっぱ大事じゃないですか?オシャレって。そうした見た目の「綺麗さ」「丁寧さ」が、実は自分にとって一番苦手な部分であることは、以前から常々気になっていたところなんですねーいやはや…。
そして、そうしたオシャレを体現するコーヒーといえば?
なんといってもラテアートなわけです。
以前、実はラテアートに挑戦したんですけどね、やっぱり圧倒的に足りないわけですよ「オシャレ感」、もとい「おしゃれみ」。
そもそもラテアートは、食の体験のなかでも視覚的な効果があって、見た目の華やかさに目を奪われがちなのですが、技術的にみると、フォームドミルクを「いかに丁寧に細やかな泡に仕上げるのか」がすごく重要です。
そして、その細やかさが飲み口のまろやかさや、甘味にも直結するという点において単なる見た目の良さだけに留まらず、味にも影響してくるので、非常に重要な要素だと考えています。ちなみに家庭用のマシンではパワー不足でこの泡をきめ細やかに仕上げるのが、かーなーりムズイです。
泡自体は作れるのですが、すぐへたってしまいます。とてもじゃないけど五分とか耐えられる泡は造れません。
そうした見た目の優雅さと味の上質感の二つをもたらす、合理的かつ美的な飲み物として、今も多くの人を魅了してやまないのがラテアートの持つ魅力なのは皆さんご理解いただけると思います。
そんなわけで、行ってまいりましたおしゃれみの聖地・原宿へ。ここでラテアートをやっているのが、ラテアートカフェ・リシュー(Reissue)さんです。
店内に入ってみると、ちょっとした小物や置物が持つカジュアルな上質感、テーブルも温かみのあるブラウンのウッド・テーブルと、女の子が憧れるカフェの王道です。
そんなところにnotオシャレな男が一人で行くわけです。一瞬「結界」が張ってあるかのように思わず足を止める僕。
しかし、当然そんなものはなく、普通に入れますし、スタッフさんも丁寧な接客をしてくれます。どんだけ緊張してんだ。
ここはですね、普通のラテ・アートだけでなく、なんと好きな「キャラクター」のラテアートを書いてくれるんです。
あ、有名なお店なので画像はグーグル先生にお任せします。いろんなラテアートを見て幸せになってください。
描いてるところを拝見させてもらったんですけど、けっこうスポーティな印象でした、それもそのはずで、フォームドミルクがへたらないうちに描かないといけないという「スピード」と、キチンと描くという「丁寧さ」が求められるのです。
しかも「泡」が素材なので、濃淡を筆圧で表現できません。濃淡や塗り重ねなどを駆使しながら描き分けるわけで、ラテアート独特の感覚が要求されます。
さらにこれだけではありません。極めつけに「3Dラテアート」までやっています。
3Dラテアートは泡を立体的に盛ることで造詣して、ココアなどで模様などを描きこんでいきます。その泡が描いてお客さんに出して写真撮ってても崩れないくらいしっかりきめ細かいんです!何も入れてないミルクだけで作ってるというからおったまげ。
で、みながら思ったんです。
これは「見立ての力」が要求されるんだ、と。
そもそも、人は3次元のものをデフォルメすることで2次元に「落とし込む」ということをやってきたわけですが、たとえばキティちゃんとかのキャラクターを立体化するということは、イメージする力が必要になってきます。空間把握というか立体造形ですかね。
で、恐らく各パーツなんかはある程度パターン化できると思うんですけど、肝心のその元になる「立体的に捉える」イメージの掴み方が大事だなと感じました。
スタッフさんの集中力と描く力には頭が下がりますです。
それだけではありません。丁度オヤツの時間だったので、僕はチョコケーキを頼んだのですが、なめらかで上品な甘さでした。こういったスイーツなどのフードがおいしいのもカフェでは嬉しいポイントですよね。
よーし!これで僕もおしゃれみをゲット!今後のコーヒーにも活かしていきますよー!
さて、ここで私めの家庭用マシンで練習した一品をお見せしましょう!ドン!
道のりは、遠いです…おしゃれみドコいった。
今日はこの辺で。
vol.62 アイスコーヒーだっていろいろ
こんにちは。
前回の焙煎で作ったブレンドを、家で飲みながらふと思いました。
「家が、暑いなー」って(笑)
ということで、アイスコーヒーにしてみました!
アイスコーヒーといえば、深炒りで苦みのあるものをイメージしがちなんですが、もちろんそれだけではありません。
浅炒りや中炒りでもアイスコーヒーは作れます。
で、前回のブレンド試作1号を試しに氷を入れて飲んでみたらですね…。
予想以上にマッチしました!!
キリッとした飲み口に、爽やかなフレーバー、深炒りほど苦みも強くないので、軽やかな飲み口で思わず進んじゃう!
他に食べ物があっても重くなり過ぎず、程よいバランスで飲めます。
夏向けの食べ物って、水分多めで味薄めのものって多いじゃないですか?
きゅうりとかナスとか、そうめんとか、スイカとか。
そんな感じで、食欲が減りがちな暑いこの時期だからこそ、おススメできるアイスコーヒーに仕上がりました。
こんな感じで一つの豆も色々な飲み方ができちゃうのも、コーヒーの魅力の一つです。
で、作り方は色々あるんですが、僕はコーヒーを先に抽出してから氷を入れる作り方を推します。理由は抽出量が分かる方が、濃度の調整もしやすいからです。
例えば半分の100mlを抽出して、氷を入れて冷やすと倍の200mlくらいにはなりますので、それを目安に調整してください。
豆の種類や炒り具合、挽き方にもよるので細かいことは言いにくいですが、氷が入る分濃いめに作って、氷で冷やしながら薄める、というイメージです。お茶なんかもそうですが、抽出する量が豆に対して増えれば、成分も減っていきます。なので仮にホットで200ml作るのと同じように200ml抽出して氷を入れると、モノによっては物足りない、と感じることになります。
とはいえ、飲みやすさ、という点からみるとあえて中挽きくらいにしたり、抽出量を少し増やしたりして、薄めにつくるのもアリ。あとは淹れる水の量とかもあるんですが、その辺は実際に淹れながら加減してみると良いです。
この辺の「お好み」加減を自分で適当~こだわりまでできちゃうのも、やってて楽しい部分です。意外と新しい発見、あるかもしれませんよ!?
暑いので、身体に気をつけつつ、工夫を楽しんで夏を乗り切りましょう。
今日はこの辺で。
vol.61 アンリミテッド・ブレンド・ワークス
こんにちは。
今回はブレンドしてきました。
僕の中でブレンドは、飲む人にとっては「入口」で、焙煎する人にとっては「出口」ってイメージです。
なぜなら、僕の場合、最初入ったお店で選ぶのは「その店の基本になる味」というつもりでブレンドを選ぶからです。つまり「ハウスブレンド」です。
でも、実際に焙煎をしてブレンドをやってみて思ったのは、ブレンドの組み合わせ自体は、厳密には少し変えただけでも味は変わります。大雑把に変えても幾通りかにはなるわけで、そういう意味ではどちらかと言うと「まとめる」みたいな感覚です。
というわけで、「入口」にして「出口」、「はじめ」にして「まとめ」のブレンドにチャレンジです。
今回お世話になったのはイトーさん(以下:イ)です。
イ:「組み合わせは、それこそ”無限大”です。少なくても2種類、多いとこだと5,6種類もの豆を使ってブレンドしますからね」
僕:「マジですかー!」
イ:「まぁ今回ははじめなので2,3種類でブレンドしてみましょう」
前の週にそんな電話でのやり取りをして、今日です。
イ:「今日はどの豆にしますか?ウォッシュドの豆もあれば、ナチュラルの豆もあります」
僕:「このインドの豆はどうですか?」
イ:「うーん、それはちょっと難しいかもしれないですね…」
僕:「そうですか…じゃあ、コレとコレとコレにしようと思います」
ということで、今回使った豆は3種類。「キリマンジャロ」「グァテマラ」「コロンビア」です。
どれも「washed」、水洗方式で精錬された豆です。
今回の選択は「基本」の位置づけなので、そんなにずば抜けて個性が強い豆でない方が良いかなと考えました。もちろんどれも品質は良いです。
焙煎の度合いはお店のものを参考にハイロースト~シティの間、ということでレッツ・スタート!
イ:「ちなみに予熱ですが、何回温めますか?」
僕:「え、回数でも変わるんですか?」
イ:「今回使う小さい方だとそんなに大きな差にはならないですが、5kg釜くらい大容量だとやはりそれだけ大きくなるので、窯に熱が蓄えられるのもそれだけ時間がかかります」
僕:「んーこのままで行きます」(目標温度に達したので一旦火を止める)
イ:「そういえば、前回までにやった焙煎の中で、参考になりそうなデータがあればそれをモノサシにして焙煎してみても良いと思いますよ」
僕:「そうですね!…ってどれだったかな?汗(ゴソゴソ)」
イ:「(笑)こんなふうにフォーマットを作っておくと、後で見返しすときに便利ですよ」
僕:「た、確かに!あ、ありました!」
中炒りのものを焙煎した時はまだコピー用紙にデータを書いて、そのまま挟んだままだったので、どこにあるか一目でわかりませんでした(汗)データ管理大事!
イ:「ちなみに僕はこんな風にスプレッドシートでデータ化してあります」
僕:「おおー!!すごい!グラフ化までされている!」
イ:「これなら視覚的にも見やすいし、スマホからでも入力できます」
僕:「なるほど!か、かっこいい!」
イ:「もしくはこうやってノートにフォーマットを作ると随分やりやすくなると思いますよ」
僕:「それならこんな感じで3回前くらいからメモ帳に作ってます」
イ:「あ、作ってるんですね、さすがです。手慣れてきましたね」
僕:「いやーまだまだ聞きまくってます(笑)」
イ:「経験を積めばそのうちできるようになります。よければアイスコーヒーどうぞ」
僕:「いただきます。あ、これ泡があって甘いですね」
イ:「シェイカーで急冷したものです、こうやって泡が出来るとまろやかになりますね」
僕:「ギネスみたいですね(笑)」
イ:「そうそう、クリ―ミィな泡ってやつです」
そうこうしている間に投入温度を過ぎて下がったので、上げ直しました。
ということで、今回は再度温度が上がった後、また目安まで下がってから投入。
ちなみに一回目はコロンビアです。
僕:「今回は一番下の温度がいつもより低いですね」
イ:「外気などの影響も受けますからね」
僕:「前回までの復習で、今回は温度を少し高めにして再点火しています」
しばらくして、温度上昇がいつもより早いことに気が付きました。
僕:「いつもより温度の上がり方が早いみたいです」
イ:「どれどれ…本当だ、いつもより”走って”ますね、でもそんなに特別高いわけでもないので、お好みで調整してみてください」
僕:「これはこれでよしとします!」(あまりいじるのが怖いだけ)
そうこうしている間にハゼが来て少し経った頃。
僕:「そろそろですかね?」
イ:「お店のはだいたいこれくらいの色合いですね」
僕:「出します」(ザザー)
イ:「ハイロースト~シティの間ですね」
そして2回目はキリマンジャロです。
僕:「やっぱり一番下が前回より下がってて、温度の上がり方が”走って”ますね」
とはいえ、これはこれで安定しているのでこのまま行きます。
豆を出すタイミングがやや遅れてシティくらいで出しました。
イ:「シティ~フルシティくらいですね」
僕:「うーん、うっかりしてるとどんどん焙煎が進んで行きますね」
3回目、最後のグァテマラはきっちり決めて、1回目と同じくらいで出しました。
レッツ・ブレンド!
さぁ、問題は比率です。
とりあえず2種類、コロンビアベースとグァテマラベースを作ってドリップしてみました。
僕:「うーん、両方ともコロンビアの印象が強いかなー」
イ:「そうですね、でもどちらもそれぞれのベースの味は出てますよ」
僕:「キリマンジャロ少なすぎましたね…キリマンジャロベースで作ってみます!」
で、試作3号、&等分した4号。
僕:「おお!これはこれは中々良いのでは!?」
イ:「ベースのキリマンジャロのキリッとした感じが出つつも、コロンビアのオレンジのような風味もするし、グァテマラも上品にうっすらと感じます。なかなか良いと思いますよ」
僕:「ブレンドは奥が深いですねー今回は結果的に焙煎度合いが違うものでブレンドしてしまいました(笑)」
イ:「そうですね、試しにウチで使っている豆で同じくらいのローストのものを等分でブレンドしてみましょうか」
そして試飲。
僕:「こ、これは!うまくまとまりつつそれぞれの個性もあって、なんつーかセクシーですね」
イ:「妖艶、な感じですか(笑)」
僕:「ええ(笑)というか、スーパージェネラルな感じがします」
イ:「ハイローストで酸味や香りも出やすいですからね」
僕:「なるほどー、もう少し工夫して自分なりにベストバランスを見つけていきます!」
イ:「今回は焙煎した後にウチのものを飲みましたが、次回は試飲してから焙煎すると基準が作りやすいかもしれませんね」
僕:「そうですね、次回は飲んでから決めます(笑)」
ということで、出来上がったモノは結果的に3種類の豆と2種類の焙煎度合いのブレンドで、これはこれで良かったです。
次回はこれを踏まえてもう少し工夫してみようと思います。
今日はこの辺で。
vol.60 僕の原風景
こんにちは。
今日はちょっと自分の過去を振り返ってみようと思います。
自分の原風景は何だろうと考えた時に、自分がどこで何をして遊んでいたかを思い出すと、本棚のある部屋で、一人レゴブロックや絵本やマンガを読んで過ごしていた記憶が一番多いです。
本棚には手に取ったことのないものもあれば、ふとした瞬間に表紙だけ眺めてみたり、マンガや絵本でさえ、ひょっとしたらそんなものがあったかもしれません。
本、本、本…。
そう、僕の原風景は「本」から始まっています。
僕は実家の中で一番の年少者であり、家族が買っておいたあらゆる本を自然と「見る」機会がありました。
もっとも、それも興味がなければ見ないでしょう。
3歳から5歳の間、自分の好きなタイミングで祖父母や親や、姉兄と接していたはずです。
逆にそれ以外の時間を恐らく僕は基本的に一人で遊んでおり、その体験が今の気の向くままの元になっているのかなと思います。
なんでこんなことを書いているのかというと、自分の『コア』は何か、ということに今一度立ち戻る時が来たなと感じているからです。
もともと興味の範囲が浅く広いので、それなりにアンテナを張っていればいろんな欲しい情報がすぐ入って来るのですが、問題はそれをどうしたいのか、というところです。
自分が何に興味を持っていて、どこを向いていて、どこに対して開かれているのか。
あれこれやっているうちに見えにくくなっているなと最近は感じていました。
言い換えれば「スタンス」や「スタイル」は何か、ということなんだろうと思います。
ブログはそうした点において、読み手がいると同時に、もうひとつ自分に対しての問いかけやメモ書きとしての機能もあり、その軸がテーマや内容によって自由に伸び縮みできる点が好きで書いています。
なので、読み手からしたら面白くないものでも、自分にとってはちょっとした「付箋」の役割を持たすこともできる、便利なツールだなと思っています。
ただ、できるだけ面白いものも書きたいというのはありますし、その意味では読者と自分の距離を測る「モノサシ」の意味合いも強いです。
手探りで書いているので、面白くなかったらごめんなさい。
実際に面と向かって「面白くない」と言われたこともあります(笑)
それはそれとして受け止めつつ、自分なりに上手い距離感を保ちつつ、道具として使っていきます。
面白くないって、けっこー凹みますけどね、でも、そういうものです。
で、面白くないって言われてるのに、ブクマが付いててアクセスがいつもより多くなってて何が起きてるのか分からず混乱したり。基本的に多くはないんですけどね。
刺さるところに刺さっていたのでしょう。
文章の書き手としては精進します、ということで。
今日はこの辺で。
vol.59 「カメラを止めるな!」と「カメラを止めた人」
こんにちは。
ここ数日間、連日ずっとチケットが取れるか映画館に足を運んでいるのに観れない映画があります。それは「カメラを止めるな!」。
元々、7月の前半を終える頃にツイッターでふと見かけたのが始まりでした。
その時は、「あ、そんな映画もあるんだ」くらいの認識しかなく、ちょうど熊野に行ったりしていた前後だったので、さして情報を追っかけずにいたんです。
今にして思えば、ちょっと「ん?」くらいの「何か引っかかり」は感じていたのに、なぜその時にもっと調べて行かなかったのか、今となっては後悔しています。
なぜなら、「猛烈に観たい」からです。
しかも、タイミングの悪いことに、有名人がバンバン言及し初めて、既に平日ですら並んでいる有様、これまたタイミングの悪いことに、自分の休みの日ですら、他の用事と重なって観れない始末。
もうね、完全にセルフで「お預け」食らってハングリー状態です。
僕は基本欲求に素直なので、こういう、「自分がしたいことができない」という状態が、かなり嫌です。それも意図せずそうなっているのが尚辛いです。
僕と映画(映像)との関係を少し話しておきます。
「映画が好きです」な状態になったのが高校2年生の時、映像ということで、放送部に入りました。ちょうど一個上の3年の先輩達がソフトボールクラブが「部活」になっていく様子をドキュメンタリーチックに撮影して、それが放送部の大会で特別賞を取った「後」にひょっこり入ってきた、というタイミングでした。
でも、結局全然ほんとうに何もできずに卒業していきました。
強いていうなら文化祭のオープニング映像で雑用をしたくらいです。
あんまり大して役には立てないけど、文句は言うみたいな、典型的にこじらせていましたね(笑)
今思えば、本当にやりたいなら一人でもなんでもできることをやる、だったですね。
で、やっぱいつでも僕は「できなかった」という後悔が先に立つんですが、それで、大学1年のときに映画研究会に入って、ようやく1本分のシナリオを書いて撮影、までこぎつけました。
ですが、結局それを編集して「映像にする」ことをしなかったのです。
ちょうど、「こういうのをやりたい」ということで、当時同居していた兄やその友達に話をしていました。その時、その話を聞いたその友達が「お前のその話聞いてたら思い出した漫画があるんだけど今度持ってきてやるよ」と言って、そのコピーを持ってきてくれました。それはアフタヌーンコミックの四季賞を取った作品で「ゴーグル」という作品です。作者の名前は豊田徹也という方です。
当時、僕はその漫画を読んで絶句してしまいました。主人公の女の子の設定(背景や状態)が似ていて、かつ全体の話の作り方が僕のものより遥かに「面白かった」のです。
それを見てしまって、「自分のより面白いのあるじゃん!これでいいじゃん!」ってなって、出せなくなりました。
一生懸命、ミスドでウンウン唸りながらプロットや絵コンテを書いて、やっと撮影して、どうにか撮り終えて。
マンガと映画じゃ媒体違うんですけど、でもまとめられませんでした。全然足りなくて。
僕が欲しかった「空気感」が既に作品として「ある」ということが、悔しかったです。
で、結局映画を撮ることを辞めました。
元々、学校とかで人(同年代)と協力しながら何かを作る(する)ということに、すごい苦手意識があったので、「もう、一人で出来ることをやろう」となって、元々実家が写真館だったこともあって写真サークルに入ることにしました。
幼稚園生のころから暗室の酢酸の匂いを嗅いでお手伝いしていましたからね、風景を見慣れていることで、自分の中で参入障壁が低かったです。
とまぁそんな感じで、僕は「カメラを止めた」方の人なんですが、「カメラを止めるな!」の特報を見てから、なぜかまた、一人でも良いから「映像」を作りたいなと思っている自分がいます。あの映像には、そういう「熱っぽさ」があるように見えて仕方ないんです。
何でも良い、一人でできるもので良いから、とにかく作りたい。
そういう衝動が渦巻いています。
ものつくるのは、楽しいっすよね。
何でも良いけど、死んでも良いから「面白い」ものを作りたい。
今日はこの辺で。