vol.62 アイスコーヒーだっていろいろ
こんにちは。
前回の焙煎で作ったブレンドを、家で飲みながらふと思いました。
「家が、暑いなー」って(笑)
ということで、アイスコーヒーにしてみました!
アイスコーヒーといえば、深炒りで苦みのあるものをイメージしがちなんですが、もちろんそれだけではありません。
浅炒りや中炒りでもアイスコーヒーは作れます。
で、前回のブレンド試作1号を試しに氷を入れて飲んでみたらですね…。
予想以上にマッチしました!!
キリッとした飲み口に、爽やかなフレーバー、深炒りほど苦みも強くないので、軽やかな飲み口で思わず進んじゃう!
他に食べ物があっても重くなり過ぎず、程よいバランスで飲めます。
夏向けの食べ物って、水分多めで味薄めのものって多いじゃないですか?
きゅうりとかナスとか、そうめんとか、スイカとか。
そんな感じで、食欲が減りがちな暑いこの時期だからこそ、おススメできるアイスコーヒーに仕上がりました。
こんな感じで一つの豆も色々な飲み方ができちゃうのも、コーヒーの魅力の一つです。
で、作り方は色々あるんですが、僕はコーヒーを先に抽出してから氷を入れる作り方を推します。理由は抽出量が分かる方が、濃度の調整もしやすいからです。
例えば半分の100mlを抽出して、氷を入れて冷やすと倍の200mlくらいにはなりますので、それを目安に調整してください。
豆の種類や炒り具合、挽き方にもよるので細かいことは言いにくいですが、氷が入る分濃いめに作って、氷で冷やしながら薄める、というイメージです。お茶なんかもそうですが、抽出する量が豆に対して増えれば、成分も減っていきます。なので仮にホットで200ml作るのと同じように200ml抽出して氷を入れると、モノによっては物足りない、と感じることになります。
とはいえ、飲みやすさ、という点からみるとあえて中挽きくらいにしたり、抽出量を少し増やしたりして、薄めにつくるのもアリ。あとは淹れる水の量とかもあるんですが、その辺は実際に淹れながら加減してみると良いです。
この辺の「お好み」加減を自分で適当~こだわりまでできちゃうのも、やってて楽しい部分です。意外と新しい発見、あるかもしれませんよ!?
暑いので、身体に気をつけつつ、工夫を楽しんで夏を乗り切りましょう。
今日はこの辺で。
vol.61 アンリミテッド・ブレンド・ワークス
こんにちは。
今回はブレンドしてきました。
僕の中でブレンドは、飲む人にとっては「入口」で、焙煎する人にとっては「出口」ってイメージです。
なぜなら、僕の場合、最初入ったお店で選ぶのは「その店の基本になる味」というつもりでブレンドを選ぶからです。つまり「ハウスブレンド」です。
でも、実際に焙煎をしてブレンドをやってみて思ったのは、ブレンドの組み合わせ自体は、厳密には少し変えただけでも味は変わります。大雑把に変えても幾通りかにはなるわけで、そういう意味ではどちらかと言うと「まとめる」みたいな感覚です。
というわけで、「入口」にして「出口」、「はじめ」にして「まとめ」のブレンドにチャレンジです。
今回お世話になったのはイトーさん(以下:イ)です。
イ:「組み合わせは、それこそ”無限大”です。少なくても2種類、多いとこだと5,6種類もの豆を使ってブレンドしますからね」
僕:「マジですかー!」
イ:「まぁ今回ははじめなので2,3種類でブレンドしてみましょう」
前の週にそんな電話でのやり取りをして、今日です。
イ:「今日はどの豆にしますか?ウォッシュドの豆もあれば、ナチュラルの豆もあります」
僕:「このインドの豆はどうですか?」
イ:「うーん、それはちょっと難しいかもしれないですね…」
僕:「そうですか…じゃあ、コレとコレとコレにしようと思います」
ということで、今回使った豆は3種類。「キリマンジャロ」「グァテマラ」「コロンビア」です。
どれも「washed」、水洗方式で精錬された豆です。
今回の選択は「基本」の位置づけなので、そんなにずば抜けて個性が強い豆でない方が良いかなと考えました。もちろんどれも品質は良いです。
焙煎の度合いはお店のものを参考にハイロースト~シティの間、ということでレッツ・スタート!
イ:「ちなみに予熱ですが、何回温めますか?」
僕:「え、回数でも変わるんですか?」
イ:「今回使う小さい方だとそんなに大きな差にはならないですが、5kg釜くらい大容量だとやはりそれだけ大きくなるので、窯に熱が蓄えられるのもそれだけ時間がかかります」
僕:「んーこのままで行きます」(目標温度に達したので一旦火を止める)
イ:「そういえば、前回までにやった焙煎の中で、参考になりそうなデータがあればそれをモノサシにして焙煎してみても良いと思いますよ」
僕:「そうですね!…ってどれだったかな?汗(ゴソゴソ)」
イ:「(笑)こんなふうにフォーマットを作っておくと、後で見返しすときに便利ですよ」
僕:「た、確かに!あ、ありました!」
中炒りのものを焙煎した時はまだコピー用紙にデータを書いて、そのまま挟んだままだったので、どこにあるか一目でわかりませんでした(汗)データ管理大事!
イ:「ちなみに僕はこんな風にスプレッドシートでデータ化してあります」
僕:「おおー!!すごい!グラフ化までされている!」
イ:「これなら視覚的にも見やすいし、スマホからでも入力できます」
僕:「なるほど!か、かっこいい!」
イ:「もしくはこうやってノートにフォーマットを作ると随分やりやすくなると思いますよ」
僕:「それならこんな感じで3回前くらいからメモ帳に作ってます」
イ:「あ、作ってるんですね、さすがです。手慣れてきましたね」
僕:「いやーまだまだ聞きまくってます(笑)」
イ:「経験を積めばそのうちできるようになります。よければアイスコーヒーどうぞ」
僕:「いただきます。あ、これ泡があって甘いですね」
イ:「シェイカーで急冷したものです、こうやって泡が出来るとまろやかになりますね」
僕:「ギネスみたいですね(笑)」
イ:「そうそう、クリ―ミィな泡ってやつです」
そうこうしている間に投入温度を過ぎて下がったので、上げ直しました。
ということで、今回は再度温度が上がった後、また目安まで下がってから投入。
ちなみに一回目はコロンビアです。
僕:「今回は一番下の温度がいつもより低いですね」
イ:「外気などの影響も受けますからね」
僕:「前回までの復習で、今回は温度を少し高めにして再点火しています」
しばらくして、温度上昇がいつもより早いことに気が付きました。
僕:「いつもより温度の上がり方が早いみたいです」
イ:「どれどれ…本当だ、いつもより”走って”ますね、でもそんなに特別高いわけでもないので、お好みで調整してみてください」
僕:「これはこれでよしとします!」(あまりいじるのが怖いだけ)
そうこうしている間にハゼが来て少し経った頃。
僕:「そろそろですかね?」
イ:「お店のはだいたいこれくらいの色合いですね」
僕:「出します」(ザザー)
イ:「ハイロースト~シティの間ですね」
そして2回目はキリマンジャロです。
僕:「やっぱり一番下が前回より下がってて、温度の上がり方が”走って”ますね」
とはいえ、これはこれで安定しているのでこのまま行きます。
豆を出すタイミングがやや遅れてシティくらいで出しました。
イ:「シティ~フルシティくらいですね」
僕:「うーん、うっかりしてるとどんどん焙煎が進んで行きますね」
3回目、最後のグァテマラはきっちり決めて、1回目と同じくらいで出しました。
レッツ・ブレンド!
さぁ、問題は比率です。
とりあえず2種類、コロンビアベースとグァテマラベースを作ってドリップしてみました。
僕:「うーん、両方ともコロンビアの印象が強いかなー」
イ:「そうですね、でもどちらもそれぞれのベースの味は出てますよ」
僕:「キリマンジャロ少なすぎましたね…キリマンジャロベースで作ってみます!」
で、試作3号、&等分した4号。
僕:「おお!これはこれは中々良いのでは!?」
イ:「ベースのキリマンジャロのキリッとした感じが出つつも、コロンビアのオレンジのような風味もするし、グァテマラも上品にうっすらと感じます。なかなか良いと思いますよ」
僕:「ブレンドは奥が深いですねー今回は結果的に焙煎度合いが違うものでブレンドしてしまいました(笑)」
イ:「そうですね、試しにウチで使っている豆で同じくらいのローストのものを等分でブレンドしてみましょうか」
そして試飲。
僕:「こ、これは!うまくまとまりつつそれぞれの個性もあって、なんつーかセクシーですね」
イ:「妖艶、な感じですか(笑)」
僕:「ええ(笑)というか、スーパージェネラルな感じがします」
イ:「ハイローストで酸味や香りも出やすいですからね」
僕:「なるほどー、もう少し工夫して自分なりにベストバランスを見つけていきます!」
イ:「今回は焙煎した後にウチのものを飲みましたが、次回は試飲してから焙煎すると基準が作りやすいかもしれませんね」
僕:「そうですね、次回は飲んでから決めます(笑)」
ということで、出来上がったモノは結果的に3種類の豆と2種類の焙煎度合いのブレンドで、これはこれで良かったです。
次回はこれを踏まえてもう少し工夫してみようと思います。
今日はこの辺で。
vol.60 僕の原風景
こんにちは。
今日はちょっと自分の過去を振り返ってみようと思います。
自分の原風景は何だろうと考えた時に、自分がどこで何をして遊んでいたかを思い出すと、本棚のある部屋で、一人レゴブロックや絵本やマンガを読んで過ごしていた記憶が一番多いです。
本棚には手に取ったことのないものもあれば、ふとした瞬間に表紙だけ眺めてみたり、マンガや絵本でさえ、ひょっとしたらそんなものがあったかもしれません。
本、本、本…。
そう、僕の原風景は「本」から始まっています。
僕は実家の中で一番の年少者であり、家族が買っておいたあらゆる本を自然と「見る」機会がありました。
もっとも、それも興味がなければ見ないでしょう。
3歳から5歳の間、自分の好きなタイミングで祖父母や親や、姉兄と接していたはずです。
逆にそれ以外の時間を恐らく僕は基本的に一人で遊んでおり、その体験が今の気の向くままの元になっているのかなと思います。
なんでこんなことを書いているのかというと、自分の『コア』は何か、ということに今一度立ち戻る時が来たなと感じているからです。
もともと興味の範囲が浅く広いので、それなりにアンテナを張っていればいろんな欲しい情報がすぐ入って来るのですが、問題はそれをどうしたいのか、というところです。
自分が何に興味を持っていて、どこを向いていて、どこに対して開かれているのか。
あれこれやっているうちに見えにくくなっているなと最近は感じていました。
言い換えれば「スタンス」や「スタイル」は何か、ということなんだろうと思います。
ブログはそうした点において、読み手がいると同時に、もうひとつ自分に対しての問いかけやメモ書きとしての機能もあり、その軸がテーマや内容によって自由に伸び縮みできる点が好きで書いています。
なので、読み手からしたら面白くないものでも、自分にとってはちょっとした「付箋」の役割を持たすこともできる、便利なツールだなと思っています。
ただ、できるだけ面白いものも書きたいというのはありますし、その意味では読者と自分の距離を測る「モノサシ」の意味合いも強いです。
手探りで書いているので、面白くなかったらごめんなさい。
実際に面と向かって「面白くない」と言われたこともあります(笑)
それはそれとして受け止めつつ、自分なりに上手い距離感を保ちつつ、道具として使っていきます。
面白くないって、けっこー凹みますけどね、でも、そういうものです。
で、面白くないって言われてるのに、ブクマが付いててアクセスがいつもより多くなってて何が起きてるのか分からず混乱したり。基本的に多くはないんですけどね。
刺さるところに刺さっていたのでしょう。
文章の書き手としては精進します、ということで。
今日はこの辺で。
vol.59 「カメラを止めるな!」と「カメラを止めた人」
こんにちは。
ここ数日間、連日ずっとチケットが取れるか映画館に足を運んでいるのに観れない映画があります。それは「カメラを止めるな!」。
元々、7月の前半を終える頃にツイッターでふと見かけたのが始まりでした。
その時は、「あ、そんな映画もあるんだ」くらいの認識しかなく、ちょうど熊野に行ったりしていた前後だったので、さして情報を追っかけずにいたんです。
今にして思えば、ちょっと「ん?」くらいの「何か引っかかり」は感じていたのに、なぜその時にもっと調べて行かなかったのか、今となっては後悔しています。
なぜなら、「猛烈に観たい」からです。
しかも、タイミングの悪いことに、有名人がバンバン言及し初めて、既に平日ですら並んでいる有様、これまたタイミングの悪いことに、自分の休みの日ですら、他の用事と重なって観れない始末。
もうね、完全にセルフで「お預け」食らってハングリー状態です。
僕は基本欲求に素直なので、こういう、「自分がしたいことができない」という状態が、かなり嫌です。それも意図せずそうなっているのが尚辛いです。
僕と映画(映像)との関係を少し話しておきます。
「映画が好きです」な状態になったのが高校2年生の時、映像ということで、放送部に入りました。ちょうど一個上の3年の先輩達がソフトボールクラブが「部活」になっていく様子をドキュメンタリーチックに撮影して、それが放送部の大会で特別賞を取った「後」にひょっこり入ってきた、というタイミングでした。
でも、結局全然ほんとうに何もできずに卒業していきました。
強いていうなら文化祭のオープニング映像で雑用をしたくらいです。
あんまり大して役には立てないけど、文句は言うみたいな、典型的にこじらせていましたね(笑)
今思えば、本当にやりたいなら一人でもなんでもできることをやる、だったですね。
で、やっぱいつでも僕は「できなかった」という後悔が先に立つんですが、それで、大学1年のときに映画研究会に入って、ようやく1本分のシナリオを書いて撮影、までこぎつけました。
ですが、結局それを編集して「映像にする」ことをしなかったのです。
ちょうど、「こういうのをやりたい」ということで、当時同居していた兄やその友達に話をしていました。その時、その話を聞いたその友達が「お前のその話聞いてたら思い出した漫画があるんだけど今度持ってきてやるよ」と言って、そのコピーを持ってきてくれました。それはアフタヌーンコミックの四季賞を取った作品で「ゴーグル」という作品です。作者の名前は豊田徹也という方です。
当時、僕はその漫画を読んで絶句してしまいました。主人公の女の子の設定(背景や状態)が似ていて、かつ全体の話の作り方が僕のものより遥かに「面白かった」のです。
それを見てしまって、「自分のより面白いのあるじゃん!これでいいじゃん!」ってなって、出せなくなりました。
一生懸命、ミスドでウンウン唸りながらプロットや絵コンテを書いて、やっと撮影して、どうにか撮り終えて。
マンガと映画じゃ媒体違うんですけど、でもまとめられませんでした。全然足りなくて。
僕が欲しかった「空気感」が既に作品として「ある」ということが、悔しかったです。
で、結局映画を撮ることを辞めました。
元々、学校とかで人(同年代)と協力しながら何かを作る(する)ということに、すごい苦手意識があったので、「もう、一人で出来ることをやろう」となって、元々実家が写真館だったこともあって写真サークルに入ることにしました。
幼稚園生のころから暗室の酢酸の匂いを嗅いでお手伝いしていましたからね、風景を見慣れていることで、自分の中で参入障壁が低かったです。
とまぁそんな感じで、僕は「カメラを止めた」方の人なんですが、「カメラを止めるな!」の特報を見てから、なぜかまた、一人でも良いから「映像」を作りたいなと思っている自分がいます。あの映像には、そういう「熱っぽさ」があるように見えて仕方ないんです。
何でも良い、一人でできるもので良いから、とにかく作りたい。
そういう衝動が渦巻いています。
ものつくるのは、楽しいっすよね。
何でも良いけど、死んでも良いから「面白い」ものを作りたい。
今日はこの辺で。
vol.58 ヒューゴ・デ・ウァール博士×関口監督トークイベント
こんにちは。
今日、「毎日がアルツハイマー2」と「ザ・ファイナル」に登場したイギリスのハマートンコート認知症ケア・アカデミーの施設長、ヒューゴ先生のトークイベントに参加してきました@日比谷図書館文化館。
ヒューゴ先生は関口監督と終始ユーモアとウイットに富んだ掛け合いをされていて、その話を聞いているだけでも面白かったのですが、今回の話の肝は「パーソン・センタード・ケア」(PCC)です。以下の話は、ヒューゴ先生がトークで語っていたことです。
作中でも、例えば認知症の人が不安やいつもと違う様子のとき、先生は「探偵」のように何が原因なのかを探すことだと言っていました。この「探偵」のように、というのがミソで、認知症の人に対する正解は常に存在しない、というか不確実性を受け入れるということの手掛かりになっています。中々、普通の日本の介護現場だとヘタすると「そんな暇ねーよ」で終わらされそうな部分ですが、本来はとても大事です。
そもそも、認知症というのは、ただの「ラベル」にしか過ぎません。つまりその人の人格そのものは変わらないわけです。
今日の解決が、そのまま明日も通じるわけではない、仕事として普段接している我々でさえ、うっかりすると忘れがちですが、認知症そのものの症状が、明に暗に絶えず変化しているからです。
相手が言ったことが事実と異なっても否定せずに流れに乗ることもあれば、それは違うと指摘する場合もあります、でも、それらはタイミングや情報のアンテナを常に張り巡らせながら判断するからこそできることでもあるわけです、適当にやっているわけではない。
そして、それでも読み切れないことだってある、そういったときに「間違いを恐れない」ことも大事だとヒューゴ先生は言っていました。
キーになる概念がいくつか出てきたのですが、中でも「personhood」「connectedness」の二つは、重要なものです。やはり人間性とその繋がりがケアにおいては中心を担っていて、ある種の「魂の共鳴」と言っても良いような関係性があるからこそ、感情の共有のされ得るのだということを強く認識しました。
「魂」などというのは、これまた何とオカルティックで非科学的な言い方だと思うでしょうが、そういう「心に触れる何か」があるからこそ、その人を理解するための入口を我々が見つけることができるわけで、あながち見当違いなことを言っているわけでもないと思います。
さて、1時間のトークが終わって、30分の質疑応答がありました。すんごいたくさん聴きたかったけど一個だけって言われました。
質問「イギリスでは障害者福祉政策の予算が大幅にカットされているということがありましたが、そんな中、老人介護はどうなんでしょうか?特に先生のハマートンコートはそんな中どのように運営されているのか?」
A:「重要な質問ですね。NHS(国民保険サービス)の予算は下がっている、というより、伸びていない=足りないという状態が続いている。ケアに対する予算は下がっており、ケアの予算は地方自治体が決める。その中でhospitalとしてのハマートンコートはNHSからまだ予算が降りやすい状況ではある。ケアに対する予算が下がっていることの大きな要因は、イギリスはケアとヘルスを分けてしまった歴史があり、これは一つの大きな失敗だったと考えられており、見直されている。しかし、これが改善されるには10年くらいかかるだろう。我々のような施設は、予算が必要だといろんなところに絶えず働きかかけることが大事」
補足:ハマートンコートは「終の住処」などではなく、認知症の人を、一人一人「パーソン・センタード・ケア」によって、ケアの方針(ケア・マッピング)などを決めるために「仮入所」させる施設としての役割を担っている。イギリス政府とのトラスト(信託)の共同経営とのこと。
とまぁ、かなり包括的に歴史関係も含めてお答いただけました。ハマートンコートは施設の性格上、一般的な福祉施設よりもかなり先進的なことをやっており、どちらかというとハイエンドだと思います。そうなると比較的大きなところから予算も出ているのではないかな、ということは予想できたので、その辺の位置づけも含めての質問、ということでした。施設としてもホスピタルであるわけで、その辺の区分けも予算がどこから出ているのかというところに、大きな違いを与えているのでしょう。
それにしても…ハマートンコート、超行ってみてぇー(笑)
トレーニング受けるのいくらかかるとか、調べてみます。
今日はこの辺で。
vol.57 酸梅湯(さんめいたん)・ラプソディー
こんにちは。
突然ですが、酸梅湯(さんめいたん)って知ってますか?
日本でいうところの「梅ジュース」みたいなもんですが、中国や台湾から来た清涼飲料水です。
そもそも、僕は中華料理が結構好きで、中でもチャーハンは子どもの頃から好んで食べていました。
地元である大分に「ワシントンホテル」があって、中華料理屋さんが中に入っており、そこで食事をするときは必ずこの酸梅湯を頼む、ここでしか飲めない「特別な飲み物」という印象でした。
ちなみに、他にも僕の中では子どものとき、特定の時にしか飲めない特別な飲み物がいくつかあって、ピザを食べる時の「ジンジャーエール」と、誕生日のときに飲む「ダイアガラナ」などがそうです。
さて、この酸梅湯、原料は大まかに烏梅、山査子、甘草などが使われているからなのか、味はやはり独特の癖が少しあるので苦手な人もいるかもしれません。甘いですしね。
でも独特の爽やかさもあって、油の多い中華料理との相性は良いです。
しかし、ややマイナーな飲み物なのか、食堂系の中華屋さんとかでは見かけたことがありません。探せばあるんでしょうけど、大分の「ワシントンホテル」以外だと、東京は祐天寺の「来々軒」で飲んだことがあるだけです。
祐天寺の来々軒は、値段はレストラン系の中華料理屋にしては、価格も手ごろ、かつ味もしつこくないので、たまにはちょっと良い中華料理を食べたいなという方にはおススメです。大きな長四角いテーブルもあるので、一人でも行けます。地元の人に愛されてるお店でもあります。
ついでなんで、大分の中華料理屋の思い出を少し話しますね(笑)
元々はその辺のラーメン屋さんのチャーハンとか家のチャーハンとか、とにかく好きだったんですけど、数あるチャーハン履歴の中でも子どもながらにインパクトがあったのは、「千恵」というお店のチャーハンです。
醤油色のチャーハンでそんなに特別な味というわけでもないんですけど、それまで食べたどのチャーハンよりも美味しくて、行くたびに食べてました(笑)
この「千恵」のご主人は同じく大分にある「長春」(ちょうしゅん)というお店で修行を積んで、自分のお店を開業したわけです。痩せ身のメガネをかけたマジメで優しそうなご主人でした。
で、「長春」の料理長から小学生の僕が「坊や、美味しいかい?」みたいな話しかけられ方をされて、話を聞いているうちに「千恵」の名前が出て、親に連れて行ってもらったというわけです。「長春」の料理長さんもメガネ(老眼鏡?)をチェーンでつないだものを首から下げており、ゆったりとした大人の余裕を感じさせるカッコいい方で、何となく洗練された雰囲気を醸し出していました。
とまぁ、すごいローカルな話で、なおかつ20年以上経っているのでお店が今どうなっているのかは分からないのですけれど、「たまに思い出して行きたくなるお店」、「中華料理の味の基準点」という意味で、僕の中では大きな存在であるのは間違いないです。
有名店とかでもコックが変わって味が変わることもあるので、味、変わってないと良いなぁーと思います。
今日はこの辺で。
vol.56 RE:深炒り
こんにちは。
ようやく、単なる旅の備忘録を書き終えて、コーヒーのことを書ける平常運転になりました。
先週、また例のごとく焙煎をしに「いつか珈琲」さんに行ってきました。
店の前を歩いていると看板を前に、青山さんと近藤さんが二人でゴソゴソしてました。
僕:「こんにちは!何をしてるんですか?」
青山さん(以下、青):「外の看板をもっと目立つようにできないか考えていたところです」
僕:「出してるだけで広告になるから、看板って大事ですよね」
お店づくりを今まさにやっているといった感じで、観ているこっちもワクワクしてきました。どうやったらお客さんが来てくれるか、工夫しがいのあるところでとても楽しそうです。
店内を入ってみるとお店のレイアウトが若干変わっていました。
近藤さん(以下、近):「キャッシャーなどを僕らが作業するスペースに集中させました。お客さんの間を毎回通るのが申し訳なかったので…」
僕:「あー確かにこっちの方が合理的ですね!全体的にスッキリしましたね」
観ていると思わず手伝いたく(≒邪魔したく)なってくるので、大人しく焙煎の作業に取り掛かることにしました。
といっても、今回は「こうしたい」という明確なイメージがあったわけではなく、現地に行って考えよう、くらいのラフなスタンスでいました。
一通りの豆を浅炒り~深炒りまで経験して、丁度次の目標が自分の中で見つからないという状態でした。
青:「今回はどうされますか?」
僕:「ん~~暑くてアイスコーヒー飲みたいんで、深炒りで!(笑)」
青:「(笑)暑いですよね、それでは用意してきますね」
と、気分で決めた今回の豆は、「エチオピアのwashed」と「マンデリン」です。
完全に「何となく」な気分です。
青:「お店の焙煎ではマンデリンはフレンチ、エチオピアはフルシティで焙煎しています」
僕:「フレンチとフルシティの間ってどんな感じで決まっているんですか?」
青:「一応目安はあるのですが、お店によって基準になる焙煎も微妙に違ったりするので、相対的なものでもあります」
僕:「焙煎のハウスルールみたいなもんですか」
青:「そうですね」
僕:「じゃあ、せっかくなんでお店の焙煎を参考にします」
ということで、今回は「いつかさん」の焙煎の深さを参考にして、それに近いものを出す、というのが課題の一つに決まりました。
他の課題はもちろん「失敗しない」です(笑)
いや、笑いごとでなく、基本の流れをマスターするという意味で、すっげー大事だと思います。マジ卍っす。
ということで、レッツ焙煎。暖機ゴソゴソ。
近:「よければ、これどうぞ」
僕:「なんですか?」
近:「台湾のトウチョウ烏龍茶です」
僕:「いただきます、あ、うまいっすねー、まさかこれも!?」
青:「『これも作りました』とかだと面白いんですけどね(笑)」
近:「残念ながら違います(笑)」
僕:「(笑)」
さて、先ず初めに焙煎したのは、マンデリンから。
以前同様、深い方から焙煎していって、次にそれより浅めに仕上げる作戦です。
火を消して、投入温度になり、豆投入!時間&着火!
近:「なんか動きが随分手慣れてきましたね(笑)ストップウォッチ押しながら火を付けたりとかの一連の動きがこなれてます(笑)」
僕:「みなさんのご指導のおかげですよ、ニコ☆(親指グッジョブ)」
青:「定期的にけっこうな数やってますもんね、何なら、この焙煎機はスタッフより多く触っているかもしれません(笑)」
僕:「アハハ(笑)」
そうこうしているうちに2ハゼが来ました。
青:「フレンチなので、2ハゼのピークからちょっと後にかけてくらいですね」
僕:「ってことは…この辺ですかね、ほいよっ」(豆ザザー)
出してすぐも、まだパチパチいってるくらいが目安です。
すぐさま次の焙煎の準備でプレヒート(予熱)します。
フルシティということは、フレンチの一個前の焙煎の状態なので、それよりも前に豆を出さないといけません。
青:「相対的に細かく見てみると、フレンチよりのフルシティや、反対にフルシティ寄りのフレンチ、なんかもあるわけですね」
僕:「なるほど~面白いですね、特に2ハゼは豆の変化も速いので、同じように焙煎しても微妙に違いが出るところでもあるんですね」
青:「そうですね、それと1回目は途中で温度が上がりにくくなってから、火力を上げていましたが、今回は前もってその分も加味して温度を上げておいても良いです。途中からバタバタするよりか余裕をもって焙煎した方が良いですし」
僕:「あ、このくらいの暑さでも機械の温度上昇にはそんなに影響ないんですね」
青:「そうですね」
ということで、豆を投入して、火力をさっきよりやや上げて、様子を伺います。
僕:「そういえば、深炒りだけでなく、浅炒りとか中炒りでも氷入れればアイスコーヒーにはなりますよね」
青:「ええ、深炒りのアイスコーヒーが飽きてきたお客さんには、バリエーションの一つとして提案することもありますね」
僕:「ああ、確かに若干フレーバーティーとかに近くなって、一般的なアイスコーヒーのイメージからは少しズレますもんね」
青:「あれはあれでおいしいですけどね」
そうこうしているうちに2ハゼが来ました。
青:「そろそろですね」
僕:「(2ハゼのピークの少し前かな?)出しちゃいます!」(豆ザザー)
青:「うん、良いんじゃないでしょうか」
レッツ味見!今回はドリップしました。
丁度、スタッフのイトーさん(以下:イ)も顔を出しました。
イ:「いただいて良いすか?」
僕:「ゼヒゼヒ」
青:「ちょうど、エチオピアはフルーティな酸味が特徴で、マンデリンはそれよりしっかりした味が特徴なので、対比が出来ていて面白いですね。焙煎もそれぞれ目標のものになっていると思いますよ」
イ:「上手く出来てますね」
近:「勉強になります」
僕:「ありがとうございます。今回も二つとも失敗せずにできてホッとしてます(笑)」
イ:「これ、ブレンドしても面白いと思いますよ、ベースを多めにして、それに無い味を補うようにするとまた違った味わいになります」
僕:「あー良いですね!ゼヒやってみます、次回のテーマもブレンドで何かやってみます(笑)」
青:「面白いかもしれませんね」
ということで、家に帰ってブレンドして飲んだりしてます。
飲み方のバリエーションが増えて、ますます楽しい焙煎ライフになりました。
みなさんにもおススメします。
今日はこの辺で。