トリしらべぇ。

いろんなところにアンテナを張って、情報の風をキャッチします。

vol.70 カッピング体験

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カッピングしてきましたよ写真

こんにちは。

 

ワタル株式会社さんで、コーヒーのカッピング体験セミナーがあったので行ってきました。SCAJの非会員向け、ということで入門編なので、初級の更に入口みたいな簡単な内容でした。

 

普段は、最終的にどのように飲むのか(アイスかホットか、ドリップかプレスか、等)を、考えています。

 

カッピング自体は、生産地や焙煎のコンペなどで「一定の評価をするためのモノサシのひとつ」、というのが僕の認識です。

 

で、評価をするということはスコアを付けねばならず、この点についてどういう評価が「適切か」というのは知りませんでした。今回この点が気になっていたので参加した、という次第です。どうやって点数付けてるんだろ?というわけです。

 

スコアシート内の点数について説明を受けて印象的だったことを挙げていきます。

 

 

フレーバー(風味)などの8項目に対して0~8までスコアがあるのですが、4が普通ということでした。ザックリ言うと、何らかの「お、良いじゃん!」があればこれよりは大きい点(5点とか6点)になっていくということらしいです。

 

各点数には意味があってそれは以下の画像になります。

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0点が厳しすぎやしませんか…。

 

ちょっと過激な表現もありますが、点数付けされる前のいろんな品質の豆をたくさん評価するなら0点とか8点とか付くのでしょうか…? 評価する人のスコアシートのサンプルがもっと観てみたいです。

 

で、一通り説明を受けて、各テーブルに分かれて3つのサンプルをカッピングしてスコアシートを付けてみよう、となりました。焙煎の度合いは全て同じです。

 

風味を捉えるために鼻腔内に噴霧するように口で「ズッ!」と吸うのが良いらしいのですが、僕も含めて、あんまり上手く吸える人はいませんでした。

 

サンプルは初心者用、しかも3つ、ということで分かりやすかったです。というか1つだけ突出して印象の多いサンプルがあり目立ってました。

 

ということで皆のスコアはこんな結果に。

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点数付けるの難しいです。

この内、もっとも評価が難しかったのが3番でした。1番と2番は何らかの特徴があって表現しやすかったのですが、3番は評価の基準になりそうな明確な特徴が他と比べるとあまりなかったからです。それを裏付けるように表現しやすい言葉が、参加者からもあまり出てこない、という感じでした。

 

僕は以下の印象です。

1番、後味がちょっと紙っぽい、チョコ、甘味

2番、いろんな印象がある、赤ワイン、華やかな酸味、後味少し甘い

3番、強いて言うならシトラスかなぁ?分かんね

とか考えながらメモしてました。

 

2番も多くの人がやや控えめな点数を付けてましたが、これは自然かなと思います。公式のオークションでは90点台、この日の講師も88点ということでした。僕は勢いで付けて100点越えちゃいました…難しい。「甘味が少し足りない気がする」という部分で低めにされていた方もいて、あー確かに前面には出てないって感じでしたが、うーむ、うーむ。

 

品種や等級なども以下のように説明されました。

1番は、コマーシャル エルサルバドル

2番は、COE ブルンジ ブルボン

3番は、スペシャルティ コスタリカ・タラス

 

ちなみに2番のコーヒー、クラスト(粉がお湯に浸った状態での香りを嗅ぐ項目)で、僕は(うはw小豆ようかんみたいな香りがするw)って、思ってました。

 

個人的にはこういう表現もあって良いと思いますですよ!

だって、食べたことないのに「トフィープディングみたい」とか言われても分かんないんだもん…。採用されるかどうかはさておいて、自分が経験したものに「紐付ける」というのはすごく大事なプロセスだと考えています。

 

その方が印象に残りやすいし、記憶にもタグ付けしやすいから。

 

今回は体験版なので分かりやすかったですが、品質的に同じようなものや、特徴の掴みにくいものがたくさんあった場合を考えると、評価するのはもっと難航しそうです。

そして最終的に出た点数は、どのようにすり合わせていくんだろう…気になる。

 

ちょっとした何かを逃さずに、印象として的確に捉えるには、もっとトレーニングが必要なんでしょうね。

 

今日はこの辺で。

vol.69 焙煎トライアル その1

こんにちは。

 

今日は焙煎トライアルの1回目ということで。

 

扱う豆はこちら

ブラジル、シティ

コロンビア シティ

エチオピア ミディアム

 

というラインナップです。

 

今回はお題として「最終分量を200g」ということをやっていきます。

 

やり方はいくつかあるのですが、今回は一回の焙煎で200gを達成したかったので、その分を加味して焙煎をするということで挑戦しました。

 

生豆を200g焙煎しても、水分が抜ければ当然その分の目方は減ります。

青山さん(以下:青)の助けを借りながら、今回も焙煎しております。

 

青:「焙煎度合いにもよりますが、結構減っていきます」

 

僕:「マジですか」

 

青:「とりあえず250gで焙煎しましょう」

 

ということで250gでのスタート。

 

操作は慣れてきたものの、分量が変わることで投入温度などに若干の変更が必要です。

 

青:「ちなみに参考としてこんな感じの数字がありまして…」

 

僕:「投入温度はけっこう変わりますね」

 

青:「小型の焙煎機でこの量だと、これくらいは必要になります」

 

しかし、全体としての大まかな推移はそれほどの差が無いことから、投入温度と、投入してから一番下がる温度(ボトム)、温度推移に気を付けておけば比較的大丈夫そうです。

 

しかし、やはり緊張はするものでして…。

 

最初はエチオピア(ミディアム)です。

 

豆を投入して、再点火し温度を観ながらソワソワしていました。

前回までのプロファイルを何度も観ながら、ソワソワソワソワ。

そして出してみると…。

 

僕:「どうでしょう?」

 

青:「ミディアムです、ややシナモン寄りですね」

 

僕:「浅めにしました」

 

青:「最終的な出来上がりの時間に大きな時間差は無いので、これまでのプロファイルを観ながら『落ち着いて』やれば大丈夫ですよ」

 

僕:「は、はい」

 

そして次にブラジル。

 

こちらは大きな問題もなく普通にできました。

 

そして最後にコロンビアです。

 

ここでストップウォッチを押し損ねて約1分後に気付いて押すという凡ミスが発生。

 

僕:「あ」

 

しかし、温度設定に大きな変更はないので、逆算しておおよその時間もある程度追えればまだリカバリーはできます。

 

そして、窯出し。

 

が、深い、色が深い。

 

青:「うーん、フルシティに入ってますね」

 

青:「ここで、ハゼでキチンと判断が出来ていれば良かったですね。2ハゼ目の優しくパチッ、パチッというくらいの時がシティの始まりです」

 

僕:「はい…」

 

青:「今回はパチパチパチと2ハゼのピークに近いタイミングで出してしまったので、若干焙煎が深くなってしまいました」

 

僕:「これは自分用にして、やり直します」

 

青:「あと冷却の際も少し焦っていましたが、慌てると事故の元です。いつも通りやれば大丈夫ですから」

 

僕:「はい、すいません…」

 

ということで、やり直しをして、今度は時間も大丈夫、音の確認も青山さんとしながら出しました。

 

僕:「これですか?」

 

青:「これです、この感じの音です」

 

僕:「はい」

 

そして窯出し。綺麗にシティになっていました。

 

最終的な確認をして、片づけをしてこの日は終了しました。

 

今回は変に緊張してしまったのは良くなかったです。

しかし、分量の違いによる諸々の差、変更点などは経験したので、次回からの流れはよりスムーズにします。

 

今日はこのへんで。

vol.68 焙煎トライアル

こんにちは。

 

コーヒーの焙煎を続けてきて、これまでも知り合いにちょくちょく飲んでみてもらったりしていました。そして、一通りの豆で一通りの焙煎度を試してきたので、そろそろ次へのステップを、という具合になりまして。

 

おかげさまで「いつか珈琲」のオーナーである加藤さんや、スタッフの方々にも多少は喜んででいただけるものを焙煎することができて嬉しい半面、「んー次は何をしようかいな」と思案していたところ、ある考えが浮かびました。

 

それは「みんなに飲んでもらえるようなことを何かできないか?」ということです。

 

もっとも、技術や経験が不足している僕にとっていきなり不特定多数に向けてゼロから始めるには、何かと準備不足です。で、先ずは少数でもいいので、飲んでもらって喜んでもらう、楽しんでもらうということをしやすい環境を作ることが次のステップとして良いかな、と考えました。

 

そこで「焙煎トライアル」と銘打って、これまでの活動の上でもう一つ課題を設けることにしました。もっともいろんな意味で試されているのは僕の方ですが…。もちろん、今回のトライアルにご協力いただく方々の手元に届くものは、きちんと頼まれた通りの焙煎度で、「おいしく飲める」ものを提供します。

 

ちなみに焙煎をする上で、コーヒー豆に対して「こういう風にしたい」というイメージだけは、やたらはっきりとあります。なので、それまでのプロセスで、いかに「ミスなく、適切に焙煎」し、いかに欲しい味のイメージに「近づけるか」ということが、今回の課題です。

 

少し感覚的な話になってしまって申し訳ないのですが、技術的な面で僕がモヤッとしてたことは「焙煎をコントロールする」というのが一つ挙げられます。それまでも「おいしい」とされるものが「たまたま」にせよできていたり、ある程度記録も採っていたのですが、個人的には最後の最後はやや勘頼みな側面もあり、イマイチ安定感がないのではないか、と疑問を感じていました。再現性の問題ですね。

 

もっとも、自然物であるコーヒー豆を前に厳密な意味での再現性は担保しえないとも思うのですが、反面、プロや経験者はそれまでの経験や記録を頼りに、ある程度の品質を一定以上にしているはずです。

 

そう考えると全くもってランダムな代物というわけでもなく、やはりなにかしらの狙いを付けて埋めていく必要のあることなのではないかと考えています。具体的には、例えば中炒りなら中炒り、と呼ばれ得る範囲に「焙煎を適切に収める」ことが一つです。

 

焙煎をやりながら感じていたことは、実際には時間と共に各焙煎度がグラデーションのように進行しているのですが、それを焙煎をする人は音や香り、見た目、時間、温度などで判断しています。

この「流れ」をもっとはっきりと判断できればより精度が上がるはずです。

 

判断材料のひとつひとつは小さな事柄の数々ですが、それがたくさん集まって一つの焙煎されたコーヒー豆が出来上がることを考えると、とても大切なことだと考えています。

 

今はまだごく少数への提供ですが、将来的により多くの人へ「おいしく、楽しく」飲んでもらえるようにします。

 

コップに水が溜まっていくように、経験を蓄積できたらと思います。

いつか溢れる、その時まで。

 

今日はこの辺で。

vol.67 コフンとコーヒー

こんにちは。

 

粗塩を入れたお風呂に浸かっているうちに、ふと浮かんできたことをお話します。粗塩ゴイスー。

 

それは「塩気の多い弁当」に関する思い出でした。

 

僕は大学時代、歴史学専攻だったのですが、日本近現代史のゼミに所属しつつ、科目として日本近世の古文書読解講座や考古学の史料発掘講座なども履修できるようになっていました。で、必須科目としてはどちらか片方を履修すればいいのですが、両方履修する学生もいまして、僕も両方受けていました。

 

今回お話するのは、考古学の史料発掘講座のほうです。

 

両方とも夏期に2週間の合宿があり、発掘の方は群馬県の「山名伊勢崎古墳群」という、これまたシブいところに、考古学専攻のゼミ生とともに発掘調査のお手伝いをしに行くという内容です。ちなみに専攻のゼミ生は1ヶ月同じ現場と、更に冬季に他の現場に発掘調査しに行ってたらしいです。凍った地面をツルハシで割ってたりしたそうな、ヒェ~。

 

さて、2週間という短い期間とはいえ、夏のうだるように暑い日差しの中、トレンチという、水糸で区分けされた地面をエンピシャベルで掘ったりジョレンで掻いたり、猫車を押して掘り進めていくわけです。専攻の男子ゼミ生以外、同年代で力仕事に慣れている学生はほとんどおりません。それでも「発掘」という特殊な環境にあるため、積極的に作業をしていました。特に男子。

 

僕も「これでワイもマスターキートンや!!」とばかりに楽しんでいました。

 

さて、合宿中、宿を提供してくれたのは地元のビジネスホテルです。三食(昼食は弁当)付きだったのですが、その弁当は体を使うことを意識してなのか、揚げ物多め、塩気マシマシ、この食事バランスに血がたぎらずにはおれません。いろんな意味で高血圧・ハイカロリーなガテン弁当を食べて、来る日も来る日も穴掘りをするわけです。

 

そして、合宿中は「休み」の日もあります。皆で地元の博物館に行ったり、温泉に入ったり、ジャガイモのお焼きみたいなものを食べたりもすれば、夜には多少の酒を飲んで寝るみたいな「ホント、ガテンだな!」みたいなこともありました。

 

で、その酒の席で宿のおっちゃんが飲んでいたのが、「赤霧島のコーヒー割」だったんですよね。

 

当時はなんでそんなものをわざわざ作るのだろう?と不思議で仕方ない感じだったのです。でもおっちゃんは「これがうまいんだよぉ~」と、(分かってねぇなぁ)くらいなニュアンスで言っていたのが印象的でした。

 

そして最近になって、お酒好きの中にはコーヒーのお酒割、もといお酒のコーヒー割(あくまでお酒がベース)を好きな人が、けっこうな数いるということが判明したので認識を新たにしました。

 

実際にコーヒーでいくつかお酒を割ってみるとですね、たしかにうまいんです(笑)

リキュール類は分かるし、コーヒーのブランデー割とかウィスキー割とかも分かりやすいところですが、コーヒーのビール割とかも美味しかったんですよね。

 

なんでだろうと思って考えてみると、最近でもほうじ茶ラテとかあるし、代用コーヒーでも麦とかタンポポの根っことかを炒っているものをそう呼んでいるわけで。要するに炒った香ばしさとか苦味とかの要素が、そもそもコーヒーにもあるから合うのかな、と考えてみました。

 

で、お酒も差はあれ、苦味や香りがあるわけで、そうした相性のバランスでお酒とコーヒーがマッチするというのは、けっこう新鮮でした。

 

ちなみに沖縄出身の知り合いは「コーヒー豆を数粒泡盛に入れて漬けておいたものを集まった皆でガブガブ飲んでいた」そうです。さすが過ぎる…。

 

皆さんもコーヒー×お酒、是非一度お試しあれ。

 

ちょっと記憶の解像度が粗いお話でしたね、粗塩だけに。

 

今日はこの辺で。

vol.66 インドのコーヒー豆

こんにちは。

 

前回焙煎した際に気になっていた、インドのコーヒー豆を焙煎してきました。

 

今回もスタッフ青山さん(以下:青)の下、安全に焙煎を進めていきます。

 

僕:「こんにちは、今日は予告通りインドの豆を焙煎します」

 

青:「こんにちは、いくつか種類がありますがどれにしますか?」

 

僕:「うーんと…」

 

青:「とりあえず飲んでから決めましょうか」

 

ということで試飲。

 

アバンティ ミディアムロースト」「SNL(番号忘れました)シティロースト」

 

僕:「独特な味がします」

 

青:「この他、PSDという種類があります」

 

僕:「アバンティとPSD、それと新しく入荷したブラジルにします」

 

青:「今回のブラジルは、ブラジルの中でもフルーティな感じがします」

 

僕:「フルーティ?ここのコロンビアみたいな(オレンジっぽい)感じですか?」

 

青:「いえ、ブラジルはブラジルなので、あくまでもその中での印象です」

 

僕:「そうですか、気になりますねー」

 

インドのコーヒー豆は飲んでも印象が掴みづらく、前回までと違い「こんな感じにしよう」というイメージが決めにくかったですが、ブラジルとアバンティはミディアム、PSDはシティ、にしようと何となく決めました。

 

ということでレッツ焙煎。

 

~暖機中~

 

僕:「そういえば今日はJCRCの決勝の中日ですね」

 

青:「ええ、加藤さんは知り合いの応援に行ってますよ」

 

僕:「いいなー」

 

丁度この日はSCAJ協会主催のジャパン・コーヒー・ロースター・チャンピオンシップ(JCRC)の本焙煎の日でした。聞けば決勝では、前日に焙煎の練習やどんなコーヒーを作るか決め、中日に本番、最終日にカッピングや公表と、三日間もかかることを知りました。

 

~暖機後~

 

僕:「えーと、PSDがシティなので初めにやります。ミディアムは久しぶりなので後にします」

 

投入温度まで下がったので豆をザザーと投入!再点火!と同時にタ、タイマーが…ほんのちょっと手が届かない位置に!

 

青:スッ、(ピッ)←タイマー押した音

 

僕:「…ありがとうございます」

 

青:「いえいえ」

 

僕:「あ、今回は窯出しのタイミングを自分で決めてやってみようと思います!」

 

青:「分かりました。なるべく何も言いませんね」

 

僕:「既に助けられてますけどね(笑)」

 

青:「今回のインドの豆は前もお話しましたが、ハゼのタイミングが読みづらかったり、前回まで焙煎していた物とはまた少し勝手が違います」

 

僕:「えーと、温度や時間、色味で観るんでしたっけ?」

 

青:「そうですね。あとは、後半の温度が他の物より上がりやすかったりしますので注意してみていてください」

 

僕:「分かりました、やってみます」

 

僕:「温度を上げてみようかな、うーん」

 

青:「温度の上がり方は順調です」

 

僕:「…はじめてなのでヘタにいじらずにこのままでいきます!」

 

~数分後~

 

パチパチッ

 

僕:「あ、ハゼがはじまりました」

 

パチパチパチッ

 

僕:「(気持ちハゼが細かいような気が…)2ハゼも混じってます?」

 

青:「いえ、1ハゼですね」

 

僕:「(前回までのメモを見ながら)あ、ホントだ気のせいでした、まだそんな時間と温度じゃないですね」

 

しばらくして、温度と時間、色合いを観ながら窯から出す時間が近づいてきました。

 

僕:「(お、良い色になってる、時間と温度も良し)…そろそろ出しますー」

 

豆ザザー

 

僕:「きちんとシティになってます?」

 

青:「はい、なってます」

 

僕:「(ホッ)アバンティの準備をします(ゴソゴソ)」

 

青:「そういえば、今回のブラジルを淹れてみたんで飲んでみてください」

 

僕:「ありがとうございます…フルーティってこういう感じのことですか」

 

青:「飲んだ最初の感じが少しフルーティで、飲んだ後はブラジルらしい印象です」

 

僕:「いろいろあるもんですね」

 

青:「精製の仕方などでも味の印象は変わりますからね」

 

この後のアバンティとブラジルも、なんとか予定通りミディアムローストの枠に収めました。

 

僕:「アバンティは浅め寄り、ブラジルは深め寄りのタイミングで出してみました」

 

青:「飲んでみましょう」

 

ということで、レッツ試飲。

 

今回は、ミディアムローストのものをカッピング、シティをメタルドリッパーで抽出してみました。

 

僕:「アバンティは不思議な感じがします」

 

青:「あ、予想とは違う味がして面白いです」

 

僕:「ブラジルは…うん、さっき飲んだものより落ち着いてますが、こんなイメージです」

 

青:「優しい味がしますね」

 

僕:「PSDは、シティの落ち着いた感じです、けどやっぱり不思議」

 

青:「メタルドリッパーで淹れている分、いつもと違うのもありますね」

 

僕:「メタル、面白いですね」

 

と、こんな感じでこの日の焙煎は終了、ですが、溜まったチャフの掃除などもできるようになりたかったので、ごく簡単にですが、掃除の仕方を教わりました。

 

これからもできるだけ綺麗にしてから帰ろうと思います。

 

今日はこの辺で。

vol.65 コーヒーの本を、ちょっとだけ

こんにちは。

 

今日はコーヒーに関する本を、ほんのちょっとだけご紹介します。

 

1、『コーヒーの科学』

発行:講談社、著者:旦部幸博

理系×コーヒーといえばこの一冊。植物としてのコーヒー、「おいしさ」の仕組み、焙煎の仕組み、ドリップの仕組み、コーヒーの成分などなど、コーヒーを科学的な視点から観ています。理系の単語も出てきますが、ひとつずつテーマで区切られているので丁寧に読めます。

 

2、『コーヒーは楽しい』

発行:株式会社パイ インターナショナル、著者:セバスチャン・ラシヌ―、チュング‐レング トラン、訳:河 清美

絵で読むコーヒー教本と書かれた本書はフランス人の著者達による一冊を和訳したものです。オシャレでシンプルなイラストや図で、直観的にイメージを掴みやすく、またコーヒーにまつわるエトセトラや、淹れ方、焙煎方法、栽培など多岐に渡って書かれています。

 

3、『珈琲の世界史』

発行:講談社、著者:旦部幸博

1の著者が、国内外のコーヒーの歴史について縦横に書いたものです。コーヒーにまつわる伝説から2000年代のコーヒー事情まで書かれており、「物語」としても分かりやすく面白く読んでいます。新書なので手に取りやすいです。個人的には「サードウェーブ」という言葉の変遷に関する記述は興味深く読みました。

 

4、『珈琲時間』

発行:講談社、著者:豊田徹也

上の3つと毛色が変わってマンガです。『ゴーグル』や『アンダーカレント』を描いた作者さんがオムニバス形式で描いています。群像チックなキャラクターが時にユーモラスに時にセンチメンタルに、映画的な画面構成の中に、コーヒーが舞台の道具として登場しているので、雰囲気を味わうにはうってつけ。作者の情報がほとんど無くて、そっちの方も気になります。風来坊なんですかね。

 

コーヒーの本自体は色々ありますが、僕が繰り返し読んで手に馴染んだ覚えのあるもの

、という括りで挙げてみました。「情報」も「おいしさ」につながる要素、という言葉を目にして、なるほどと思う今日この頃。

 

読んでも「おいしい」コーヒー、いかがっすかー。

 

短いですけど今日はこの辺で。

※8/29追記:発行元と著者を書いた方が良いということで、加筆修正しました。

vol.64 アンリミテッド・ブレンド・ワークス2

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プロファイルの準備も抜かりなし


こんにちは。

 

焙煎は引き続きブレンドに挑戦してきました。

今回の先生は青山さん(以下:青)です。

 

僕:「今日もよろしくお願いします」

 

青:「よろしくお願いします。今回もブレンドをされる、ということですが」

 

僕:「ええ、でもその前に焙煎の度合いを確認したいので、ここで扱っている『ショコラ―タ』を飲ませてください」

 

青:「どうぞ」

 

僕:「(ズズー)…うん、今回はこれくらいの焙煎度合いでいこうと思います」

 

青:「ということは『シティ・ロースト』くらいですね」

 

僕:「そうですね」

 

前回は3種類の豆で2種類の焙煎度合いのブレンドをしたわけですが、今回の焙煎はシティローストで足並みを揃えることにしました。

 

そして今回は扱う豆は2種類、前回も使った「コロンビア」と「グァテマラ」です。

キリマンジャロ」(タンザニア)を外したのは、今回は「キリッ」とした感じをあえて出さずにいこうと考えたからです。

 

いわゆる「マイルド」なブレンドをイメージしての目標設定です。

 

さぁ、レッツ焙煎。

~暖機中~

僕:「(前回のメモを見ながら)前はこのくらいの温度と時間だったので、それより遅いタイミングですね」

 

青:「そうですね、温度ももう少し高くなりますね」

 

僕:「分かりました、先ずはコロンビアから始めます」

 

暖機してから目安の温度まで下がったので豆を投入。

 

青:「どうですか?」

 

僕:「良い感じにスタートできました」

 

青:「段々慣れてきて、操作や記録にも以前よりは余裕が出てきたみたいですね」

 

僕:「けどやっぱりソワソワしますね…」

 

豆の中の「見えない部分」にまでイメージを巡らせると、ついソワソワしてしまいます。

 

豆が加熱により水分を飛ばしながら徐々に青っぽい臭いを出したり、色付いてゴールドに変わって香ばしくなっていく間も、状態は変わっているわけです。

 

何がどのように変わっているのか、その変化がどういう意味を持っているのかまで、少しの変化でも理解できるようになりたいです。

 

青:「もし、この段階で何か変わったところ、例えば青っぽい臭いが少ないとか、いつもと違うことがあれば、やっぱり最終的に出来上がってくる結果にも違いが出てきますからね。」

 

僕:「できるだけいつもの焙煎の状態を覚えておいて、判断材料を増やせるようにしたいです」

 

そうこうしているうちに1ハゼがきて、数分後…。

 

 

僕:「どうですかね?」

 

青:「今これぐらいでちょうどシティローストですね」

 

僕:「じゃ、出します(ザザー)」

 

以前よりも少し深めの落ち着いた茶色に仕上がりました。香りもよりローストが進んでいることを知らせてくれます。

 

青:「うん、良い感じですね」

 

そして続いて、グァテマラです。

 

僕:「ストップウォッチを押すのが少し遅かったので、+30秒くらいです」

 

青:「なるほど、温度推移は先ほどと同じくらいですね」

 

僕:「そうですね、なので体感でいうと同じくらいの変化の仕方です」

 

ここでお客さんが来店、その間に豆を出すか出さないかの時間が来てしまいました。

 

僕:「(うーん…時間的はこれくらいだなぁ)出しちゃお」

 

ザザー。

 

青:「もう少し遅くて良かったですね、これはハイローストくらいです」

 

僕:「うーん、やっぱり出すタイミング、色付き具合の判断が難しいです」

 

青:「最初と最後は難しいですよ」

 

ともあれ、出来上がったものをドリップして飲んでみることにしました。

青:「ドリップしたものをブレンドするやり方もあるので、やってみてください」

 

僕:「知りませんでした。やってみます」

 

青:「これなら、細かく割合を変えながら試せます」

 

それぞれドリップしたものを先ずは飲んでみました。

 

先ずはコロンビアから。

 

僕:「うん、これくらいの深さですね、この豆特有のオレンジっぽさもありつつ、前回よりもコクが出ました!」

 

そして、グァテマラ。

 

僕:「!?なんか前回の焙煎の時も感じたんですけど、他の二つに比べて上品、というか柔らかい感じがします」

 

青:「あーその捉え方はなかなか的を得ていると思います」

 

僕:「というと?」

 

青:「例えばグァテマラの隣ではコスタリカがあって、近いだけに両方とも似ている豆ではあるんですが、土地柄からくる風味の違いですかね、上品さをグァテマラにあてはめた時に、コスタリカはそれよりも力強い感じがするという人もいるんです」

 

僕:「面白い対比ですね!」

 

そして、それぞれを半分ずつ合わせたものを飲んでみました。

 

僕:「!!!上品で、オレンジみたいな風味もして、なんか新しい!」

 

目標にしていたマイルドからは少し離れてしまったのですが、良い意味で想像していなかったものが出来てしまいました。飲み口があまりに綺麗過ぎて、思わず本当にこれが自分が作ったものかと思うほど、お上品な仕上がりになっていました(笑)

 

僕:「うーんでもやっぱり、もう少しコクが欲しい…もう一回だけやらせて下さい」

 

青:「良いですよ」

 

ということで、グァテマラは再挑戦しました。

そして、焙煎後。

青:「さっきのコロンビアより気持ち深めですけど、まだシティくらいですね」

 

僕:「飲んでみます!!」

 

さっきより、コクが出てまた違う印象でした。

 

僕:「同じ豆でもこんなに違いが出るとは、恐るべし。これくらいだとマイルドっぽく落ち着いて飲めるかなと思います」

 

青:「グァテマラは、人によっては『コーヒーらしいコーヒー』というほどです」

 

僕:「飛び抜けた個性というよりは、オールラウンダーみたいな感じですかね」

 

先ほどのコロンビアと合わせてみると、より自分のイメージに近い、マイルドで落ち着いて飲めるものができました。

 

青:「せっかくなので、中国の焙煎士が焙煎したエチオピアと、ブラジルで焙煎されたブラジルも飲んでみてください」

 

僕:「わわ、ありがとうございます!!あ、飲んだことない味がします」

 

青:「両方ともミディアムローストくらいです」

 

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パッケージのコントラストが印象的だった。

それぞれが酸味を入口に、あとから風味をたくさん連れてくるような複雑で不思議な味。コーヒーの魅力はますます深まるばかりです。

 

まだまだ知らないことがたくさんあるなー。

 

今日はこの辺で。