vol.57 酸梅湯(さんめいたん)・ラプソディー
こんにちは。
突然ですが、酸梅湯(さんめいたん)って知ってますか?
日本でいうところの「梅ジュース」みたいなもんですが、中国や台湾から来た清涼飲料水です。
そもそも、僕は中華料理が結構好きで、中でもチャーハンは子どもの頃から好んで食べていました。
地元である大分に「ワシントンホテル」があって、中華料理屋さんが中に入っており、そこで食事をするときは必ずこの酸梅湯を頼む、ここでしか飲めない「特別な飲み物」という印象でした。
ちなみに、他にも僕の中では子どものとき、特定の時にしか飲めない特別な飲み物がいくつかあって、ピザを食べる時の「ジンジャーエール」と、誕生日のときに飲む「ダイアガラナ」などがそうです。
さて、この酸梅湯、原料は大まかに烏梅、山査子、甘草などが使われているからなのか、味はやはり独特の癖が少しあるので苦手な人もいるかもしれません。甘いですしね。
でも独特の爽やかさもあって、油の多い中華料理との相性は良いです。
しかし、ややマイナーな飲み物なのか、食堂系の中華屋さんとかでは見かけたことがありません。探せばあるんでしょうけど、大分の「ワシントンホテル」以外だと、東京は祐天寺の「来々軒」で飲んだことがあるだけです。
祐天寺の来々軒は、値段はレストラン系の中華料理屋にしては、価格も手ごろ、かつ味もしつこくないので、たまにはちょっと良い中華料理を食べたいなという方にはおススメです。大きな長四角いテーブルもあるので、一人でも行けます。地元の人に愛されてるお店でもあります。
ついでなんで、大分の中華料理屋の思い出を少し話しますね(笑)
元々はその辺のラーメン屋さんのチャーハンとか家のチャーハンとか、とにかく好きだったんですけど、数あるチャーハン履歴の中でも子どもながらにインパクトがあったのは、「千恵」というお店のチャーハンです。
醤油色のチャーハンでそんなに特別な味というわけでもないんですけど、それまで食べたどのチャーハンよりも美味しくて、行くたびに食べてました(笑)
この「千恵」のご主人は同じく大分にある「長春」(ちょうしゅん)というお店で修行を積んで、自分のお店を開業したわけです。痩せ身のメガネをかけたマジメで優しそうなご主人でした。
で、「長春」の料理長から小学生の僕が「坊や、美味しいかい?」みたいな話しかけられ方をされて、話を聞いているうちに「千恵」の名前が出て、親に連れて行ってもらったというわけです。「長春」の料理長さんもメガネ(老眼鏡?)をチェーンでつないだものを首から下げており、ゆったりとした大人の余裕を感じさせるカッコいい方で、何となく洗練された雰囲気を醸し出していました。
とまぁ、すごいローカルな話で、なおかつ20年以上経っているのでお店が今どうなっているのかは分からないのですけれど、「たまに思い出して行きたくなるお店」、「中華料理の味の基準点」という意味で、僕の中では大きな存在であるのは間違いないです。
有名店とかでもコックが変わって味が変わることもあるので、味、変わってないと良いなぁーと思います。
今日はこの辺で。
vol.56 RE:深炒り
こんにちは。
ようやく、単なる旅の備忘録を書き終えて、コーヒーのことを書ける平常運転になりました。
先週、また例のごとく焙煎をしに「いつか珈琲」さんに行ってきました。
店の前を歩いていると看板を前に、青山さんと近藤さんが二人でゴソゴソしてました。
僕:「こんにちは!何をしてるんですか?」
青山さん(以下、青):「外の看板をもっと目立つようにできないか考えていたところです」
僕:「出してるだけで広告になるから、看板って大事ですよね」
お店づくりを今まさにやっているといった感じで、観ているこっちもワクワクしてきました。どうやったらお客さんが来てくれるか、工夫しがいのあるところでとても楽しそうです。
店内を入ってみるとお店のレイアウトが若干変わっていました。
近藤さん(以下、近):「キャッシャーなどを僕らが作業するスペースに集中させました。お客さんの間を毎回通るのが申し訳なかったので…」
僕:「あー確かにこっちの方が合理的ですね!全体的にスッキリしましたね」
観ていると思わず手伝いたく(≒邪魔したく)なってくるので、大人しく焙煎の作業に取り掛かることにしました。
といっても、今回は「こうしたい」という明確なイメージがあったわけではなく、現地に行って考えよう、くらいのラフなスタンスでいました。
一通りの豆を浅炒り~深炒りまで経験して、丁度次の目標が自分の中で見つからないという状態でした。
青:「今回はどうされますか?」
僕:「ん~~暑くてアイスコーヒー飲みたいんで、深炒りで!(笑)」
青:「(笑)暑いですよね、それでは用意してきますね」
と、気分で決めた今回の豆は、「エチオピアのwashed」と「マンデリン」です。
完全に「何となく」な気分です。
青:「お店の焙煎ではマンデリンはフレンチ、エチオピアはフルシティで焙煎しています」
僕:「フレンチとフルシティの間ってどんな感じで決まっているんですか?」
青:「一応目安はあるのですが、お店によって基準になる焙煎も微妙に違ったりするので、相対的なものでもあります」
僕:「焙煎のハウスルールみたいなもんですか」
青:「そうですね」
僕:「じゃあ、せっかくなんでお店の焙煎を参考にします」
ということで、今回は「いつかさん」の焙煎の深さを参考にして、それに近いものを出す、というのが課題の一つに決まりました。
他の課題はもちろん「失敗しない」です(笑)
いや、笑いごとでなく、基本の流れをマスターするという意味で、すっげー大事だと思います。マジ卍っす。
ということで、レッツ焙煎。暖機ゴソゴソ。
近:「よければ、これどうぞ」
僕:「なんですか?」
近:「台湾のトウチョウ烏龍茶です」
僕:「いただきます、あ、うまいっすねー、まさかこれも!?」
青:「『これも作りました』とかだと面白いんですけどね(笑)」
近:「残念ながら違います(笑)」
僕:「(笑)」
さて、先ず初めに焙煎したのは、マンデリンから。
以前同様、深い方から焙煎していって、次にそれより浅めに仕上げる作戦です。
火を消して、投入温度になり、豆投入!時間&着火!
近:「なんか動きが随分手慣れてきましたね(笑)ストップウォッチ押しながら火を付けたりとかの一連の動きがこなれてます(笑)」
僕:「みなさんのご指導のおかげですよ、ニコ☆(親指グッジョブ)」
青:「定期的にけっこうな数やってますもんね、何なら、この焙煎機はスタッフより多く触っているかもしれません(笑)」
僕:「アハハ(笑)」
そうこうしているうちに2ハゼが来ました。
青:「フレンチなので、2ハゼのピークからちょっと後にかけてくらいですね」
僕:「ってことは…この辺ですかね、ほいよっ」(豆ザザー)
出してすぐも、まだパチパチいってるくらいが目安です。
すぐさま次の焙煎の準備でプレヒート(予熱)します。
フルシティということは、フレンチの一個前の焙煎の状態なので、それよりも前に豆を出さないといけません。
青:「相対的に細かく見てみると、フレンチよりのフルシティや、反対にフルシティ寄りのフレンチ、なんかもあるわけですね」
僕:「なるほど~面白いですね、特に2ハゼは豆の変化も速いので、同じように焙煎しても微妙に違いが出るところでもあるんですね」
青:「そうですね、それと1回目は途中で温度が上がりにくくなってから、火力を上げていましたが、今回は前もってその分も加味して温度を上げておいても良いです。途中からバタバタするよりか余裕をもって焙煎した方が良いですし」
僕:「あ、このくらいの暑さでも機械の温度上昇にはそんなに影響ないんですね」
青:「そうですね」
ということで、豆を投入して、火力をさっきよりやや上げて、様子を伺います。
僕:「そういえば、深炒りだけでなく、浅炒りとか中炒りでも氷入れればアイスコーヒーにはなりますよね」
青:「ええ、深炒りのアイスコーヒーが飽きてきたお客さんには、バリエーションの一つとして提案することもありますね」
僕:「ああ、確かに若干フレーバーティーとかに近くなって、一般的なアイスコーヒーのイメージからは少しズレますもんね」
青:「あれはあれでおいしいですけどね」
そうこうしているうちに2ハゼが来ました。
青:「そろそろですね」
僕:「(2ハゼのピークの少し前かな?)出しちゃいます!」(豆ザザー)
青:「うん、良いんじゃないでしょうか」
レッツ味見!今回はドリップしました。
丁度、スタッフのイトーさん(以下:イ)も顔を出しました。
イ:「いただいて良いすか?」
僕:「ゼヒゼヒ」
青:「ちょうど、エチオピアはフルーティな酸味が特徴で、マンデリンはそれよりしっかりした味が特徴なので、対比が出来ていて面白いですね。焙煎もそれぞれ目標のものになっていると思いますよ」
イ:「上手く出来てますね」
近:「勉強になります」
僕:「ありがとうございます。今回も二つとも失敗せずにできてホッとしてます(笑)」
イ:「これ、ブレンドしても面白いと思いますよ、ベースを多めにして、それに無い味を補うようにするとまた違った味わいになります」
僕:「あー良いですね!ゼヒやってみます、次回のテーマもブレンドで何かやってみます(笑)」
青:「面白いかもしれませんね」
ということで、家に帰ってブレンドして飲んだりしてます。
飲み方のバリエーションが増えて、ますます楽しい焙煎ライフになりました。
みなさんにもおススメします。
今日はこの辺で。
vol.55 熊野・高野山巡り(その6 湯の峰温泉~高野山~帰宅)
こんにちは。
長々と書いてきた旅行記も今回で終わりです。
夕方、熊野本宮を後にして湯の峰温泉に着きました。
この日泊るのは民宿「あずまや荘」です。
着いてしばらく休んでからお風呂に入って、18時30分には晩ご飯を食べました。
旅館の「あずまや」のお風呂も入れるとのことでしたが、疲れていたため、出歩くことはせず、この日は晩ご飯を食べ終えてとっとと寝てしまいました。
翌日は準備を済ませ、7時30分に朝食、8時29分のバスに間に合わせます。
出る時に民宿の人が、「いつもはこっちの方が大雨で土砂崩れで通行止めが多いのに、今回はこっちが晴れて、普段あまり降らないようなところが大雨になった」
と言っていました。もし雨雲がこっちに逸れていたらと思うと、少し怖くなりました。
バスに乗って目指すは高野山。今回、もし行けたら小辺路ルートも走破したかったですが、連日予定より時間が遅くなっていたので、今回はおとなしく「聖地巡礼バス」で行くことにしました。
バスで五時間、途中、乗り換えや休憩を挟んで、昼の11時55分には高野山の千住院前(東)に着きました。金剛峯寺や大伽藍など、高野山の中心に近いバス停です。
当初は空海の眠る「奥の院」に行ってから歩いて金剛峯寺の方へ向かおうとしていたのですが、時間が押して、メインが観れなくなるのは避けたかったので、一番観たいものから順に回ることにしました。後にこの選択がちょっとしたミラクルを起こすことになります。
金剛峯寺を回った後は、「金堂」で大伽藍などを見て回りました。とにかく建物が多い。
「金堂」を見た後、けっこう良い時間になっていました。ここで「奥の院」は行こうと考えて、千住院前近くのバス停まで戻りました。
バス停まで戻るときに小雨が降り出してきました。バス停近くの軒下で雨宿りしながらバスを待っていると、夫婦とおばあちゃんの家族三人の旅行者から声をかけられました。
夫:「あのー南海鉄道で難波まで帰りますか?」
僕:「はい、帰りますよ」
夫:「良ければ、この株主優待券、今日までしか使えないので、お安くお譲りするので使ってください」
僕:「良いですよ!」
ということで、南海鉄道の株主優待券(カード)を割安でゲットしました(笑)。
難波までは通常だと1,400円くらい?掛かります。旦那さんは半額の700円でと言ったのですが、お釣りのやり取りをするのもせせこましいので、1000円でいただきました。
ちなみにカードにはパンチで使った人数分の穴が開けられていて、あと三人分使えるとのこと。どうやらその家族も大雨の影響で日程がずれ込んでしまい、使えなくなるはずのところに、僕がいた、という話でした。
夫:「帰りに二人組の人でも見つけてください(笑)」
僕「はい(笑)」
時間も遅く、帰る人達とは反対のバスだったので、いないかもなと思いつつ、了承しました。
「奥の院」に着いたのは16時に近くなっていました。
全部回って17時になったので、この日観れるものは閉まる時間です。
つまり時間切れ、残念ながら徳川家霊台や女人堂はまた今度観ることにします。
さて、高野山駅にバスで着いて、二人組がいないか探しているとどうやら高野山でバイトをしているらしい二人連れを発見、株主優待を使い切ることができました。
帰りしな、先ほどの二人連れの一人から「働いてる所で売ってるのの余りなんですが、良ければ食べてください」
と言ってお餅をいただきました。
わらしべ長者か(笑)
帰りは新大阪で新幹線を、これまた時間ぎりぎりで手配して、山を降りたので肉っ気の多い駅弁を買って食べながら、その日の内にお家に帰りましたとさ。
今回の旅で印象に残ったのは、空気がおいしくて、いろんな植物のアロマが漂っているので、うっすら甘く感じるほどでした。
コーヒーのアロマみたい、と思うくらいです。植物の香気はスゴイですね。
仙人は霞を食って生きると言いますが、奥深い森の空気はおいしいので、それも納得できる設定と言えます。
あと、人って疲れるとけっこう食欲が落ちるんだなと、自分でもびっくりしました。
おかげで良い運動になりました。
あとは、ちょっとした旅の出会いが面白くて、一人旅ならではの気軽さもあるんだなと思いました。これを機に、またいろんなところにフラフラと身軽に行けるようになりたいです。
今日はこの辺で。
vol.54 熊野・高野山巡り(その5 中辺路ルート近露~熊野本宮)
こんにちは。
前回の続きです。
近露で一泊して明け、朝の五時半に起きて朝食を済ませると、おっちゃんがまたひょっこり顔を出して紙を見せてくれました。
継桜の手前で「野中の清水」という水分補給ポイントがあること、安倍清明が腰掛けた石がある場所などを記した地図で、時間のロスがなく迷わずいけるよう教えてくれました。
さて、ご飯も食べて準備もバッチリ、6時15分になって出発の時間です。
行く時におっちゃんから「発心門王子と伏拝王子、それと熊野本宮を出る時に、特別なお参りの仕方があるから教える」ということで、神域に入るときの「今日着きました」とか「よろしくお願いします」や「ありがとうございました」的な礼の仕方を教わりました。
普通の二礼二拍手一礼とは違って、拍手する前の手を頭の横に広げながら四回、「今日着きました」とか唱えながら最後に1拍手するというやり方ですが、何の流派なんでしょう?知りませんでした。古式か、ひょっとしたら大本教(近露は大本教と縁が深い)のお参りの仕方かもしれないなと考えながら、何となく聞かずにいました。
おっちゃんとおばちゃんにお礼を言い、名残おしさもあるけれど出発します。
歩いてしばらくして近露の小中学校近くに神社があるのですが、ここは単に地元の神社で、直接は関係ないです。うっかりルートと思ってその奥を調べて、さっそく時間のロスをしてしまいました(笑)
その後も舗装道路で微妙に二手に分かれていて、進んだら「ただの民家に繋がる私道だった」とかありました…。
近露以降の道では、「ここは熊野古道ではありません」の看板も気持ち距離を置いて設置されているようで、それまでよりやや分かりにくい分岐があったりします。
こういうところで地味に2,30分と時間を削られて、最終地点への到着が押してしまうので、要注意です。
そんなこんなで、「野中の清水」で喉を潤し給水して継桜に着いた頃には8時50分。
丁度、お茶屋の休憩所があり、そこのおばちゃんに継桜はどこか尋ねるとすぐ近くだとおしえてくれたのですが…問題はその後「その先にも広場があるよ、ちょっと歩くけど」という助言でした。
後で考えると、そこに何があるのかはっきり聞いておけばよかったのですが、その時なぜか僕は「ひょっとしたらそこに史跡か何かあるのかな?」と勘違いして継桜王子の奥「JTみんなの森」みたいな名前の看板の先を登ること10分弱。
着いた先は、「企業の保有林」でした…な、何もねぇー!!!!(血涙)
強いて言うなら「ホープ誕生60周年記念植樹」とか、切り株とかはありましたよ(笑)
みなさん、継桜王子、神社の奥には史跡とかは何もありません!!!!超注意です!(笑)
僕はここで2,30分ロスしました…。その後、茶屋のおっちゃんと話してると「ここから本宮?7時間はかかるよ」「バス?あー9時のバスが今しがた出ちゃったなー」とか呑気に言われて、2重3重にパンチくらいました(笑)
この時点で9時15分、途中バス停のある「発心門王子」まででも5時間はかかるようです。地図に所用時間も記されていたのですが、キチンと一つずつ拾ってメモなりして合計時間を出していなかったのがアダとなりました。このままでは16時に着くことになってしまう=神社の参拝時間が短くなってしまいます。
次のバスが来るのはなんと11時台…何よりバスで飛ばしてしまう区間にスタンプラリーのスポットもありました。
僕はここで賭けに出ました。熊野本宮までの道を大雑把に3つの区間に分けて、それぞれ30分くらいずつ短縮できれば、15時、遅くとも30分には着くかもしれない。
まぁ、これも甘い計算だったのですが、さっそく継桜からダッシュしました(笑)。
幸い、「熊瀬川王子」までは舗装道路の区間があったため、15分くらい短縮できました。
「これはイケるかも!?」と思ったのもつかの間、そこから先の迂回路のルートは、一番初めの「滝尻王子」に次いで登り坂の続く峠道でした。とにかく急がなければと相当無茶なペースで坂を登っていたのですが、これがまた坂の終わりが見えてこない!(笑)
時間もお昼に近くなっていたので日差しもけっこうきつかったです。
ようやく登り終えたと思ったら、今度は下り、しかも石段や木の根っこ、道幅の狭いところなど、ペースを上げにくい区間が続きます。
でも、途中に舗装道路もあったおかげで、迂回ルートをなんとか1時間で進めました。
ここまでは本当に見事に峠道でほとんどペースを上げることができませんでした。
ようやく熊野本宮の入口「発心門王子」です。ここから2時間30から3時間ほどで本宮に着きます。時刻は13時30分、イケる!ここまで、地味に普通の舗装道路とかあったので変わり映えしなかったりで、古道的な面白みに欠けるところもけっこうあったので、それも疲労の一要因になっていたと思います(笑)
スタンプラリーがなければ、僕もバスでここまで来ていたかもしれません(笑)
ここからはダイジェストでお送りいたします(笑)
そして、ついに!
時刻は15時45分。感想は「ま、間に合った」でした(笑)
最後のスタンプラリーも押して、御朱印もゲットしました、大満足。
その後は大湯ノ原も参拝
その他、近くの末社もお参りして、何とか16時45分発の「湯の峰」行きのバスに乗れました。本当に間に合って良かった(笑)
九鬼ヶ口門から少し先の道で知り合った、カリフォルニアから来た旅行者とバスの中で話しました。彼女はスペインの方の巡礼道も行ったことがあるそうで、いろいろと熊野古道との違いなどを教えてくれました。是非行ってみたいです。
そんなこんなで中辺路の二日目はトレイル・ランみたいなことになってしまいましたが、道を間違えたりしなければ、15時~15時半には普通のペースで着けたと思います。
今回は、たまたま天気も良かったですが、雨の中だともっと遅れていたことを考えると、初心者にしては運が良かったおかげで何とかなったんだなと思います。
普通の舗装道路もあったので走ることが出来ましたが、登山道なら絶対に遅れていたと思います。
みなさんもトレイルや登山の旅程はきっちり計画的に!
長くなりましたが、今日はこの辺で。
vol.53 熊野・高野山巡り(その4 中辺路ルート滝尻~近露間)
こんにちは。
前回からの続きです。
紀伊田辺駅のビジネスホテルに泊りました。素泊まりのはずが、夜はなぜか茹で卵とおにぎり1個付きました(笑)
それを食べながらテレビのサッカーワールドカップをぼんやり眺めながら寝ました。
さて、明けて二日目。
6時25分のバスに乗って、この日のスタート地点、滝尻のバス停に7時04分に着きました。
前日の雨で地面が悪くなっているだろうと考え、お土産物屋で杖を購入、25分に滝尻王子を出発しました。結果から言うと、地面の状況関係なく杖はあった方がいいです。
というのも、熊野古道の中辺路ルートは、最初の滝尻王子が少し急な登りになっていたり、途中も天気に関係なく近くに川があって、その水気で濡れているようなところもあるので、あった方が疲れにくいし安全です。あとクモの巣払いにも使えたり。
まさに転ばぬ先の杖。
そして今回は妙にスタンプを押したくなったので、”dual pilgrims”(2つの道の巡礼者)のキャンペーンのスタンプラリーをすることにしました。2つの内1つは熊野古道のいくつかのルートやスポット、もう一つはスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラです。熊野の方は、比較的短い時間(徒歩以外の交通手段)で済むような条件もあるのですが、サンティアゴ・デ・コンポステーラは「徒歩、または馬で少なくとも最後の100km以上を巡礼する」とか「自転車で少なくとも最後の200km以上を巡礼する」とか、やたら距離が長そうです(笑)
機会があったらスペインに行って条件を満たして、記念バッジをゲットしたいです。
熊野古道に話を戻します。
最初の方はですね、旅の高揚感で写真撮りまくってたんですよね、「あ、きのこ!」とか「デカイ杉の根っこ!」とかですね。それでも何とか予定時間内に進行はしていたんです。
で、お昼前に予定通り「高原霧の里休憩所」に着いたんです。結構疲れてたのか、そこで2時間くらい寝てしまいました(笑)。
それでも、地図を見ながら、まだ余裕はあると思ってたんですが、途中の「十丈王子」でスタンプを押し忘れてたことに次のポイント「悪四朗屋敷跡」で気付いて、行って戻って2,30分ロス。
気付けば17時過ぎて「道の駅中辺路」に着きました。ここで、今日泊る地点「近露王子」にある民宿「月の家」さんに遅れる旨を電話をしました。そしたら宿のおっちゃんから、「牛馬童子(近露の一個前のスポット)には45分くらいかかるからな!」と言われました。この時点で休憩がてらアイス食べたり、腹減ってさんま寿司食べて17時30分位になってました(笑)
それでもスタンプを押したかったので「行きます!!」と言って行くことにしました。
で、最終的に着いたのが18時45分くらい。とっぷり日は暮れてました。冬場だったら完全にアウトですねー(汗)。
予定では早ければ3時には「近露王子」に着くはずが…おかしいなぁ(笑)。
それでも、宿のおばちゃんは着く時間を見計らって外で出迎えてくれました。すごく嬉しかったです。
着いて部屋に荷物を置いて、一っ風呂浴びてご飯食べました。
ご飯、美味しかったです。素朴だけど、どれも丁寧に作られていて、本当に良かったです。個人的にはアマゴの刺身、柿の天ぷらや餡子餅の天ぷらが珍しくて美味しかったです。
それと、なによりおっちゃんとおばちゃんが良い個性を出していて、好きです。
ご飯食べてるとおっちゃんがひょっこり顔を出してきて、うどん持ってきたり、塩分を取ることの大切さを教えてくれたりしました。
どうやら今日遅れたことが気になったらしく、疲れや熱中症でペースが遅れたのではないかと心配してくれていたようです。
翌日の行動予定を告げると、
「明日は五時半に飯で、6時15分には出発やな!」
と、おっちゃんに言われました(笑)
ご飯を食べて部屋に戻るとお布団が敷かれていました。
ちなみに建物が古く、エアコンは付いてますが、虫が入ってくるのはご愛敬、ということで虫よけのベープが置かれていました。羽アリとか入ってきては力尽きてました(笑)
入ってくるのは構わないんですが、何となく身体がモゾモゾする気がして中々すぐには寝られなかったです(笑)
でも、ここを選んで良かったと思いました。なにせ近露の中でも古い民宿ですからね。
そうこうしているうちに眠りました。
明日は一気に熊野本宮まで行く20km弱の道のりです。果たして間に合うのか…。
今日はこの辺で。
vol.52 熊野・高野山巡り(その3 那智エリア)
こんにちは
前回の続きです。
お参りして、戻って新宮の駅に着いた時には14時近くになっていました。新宮から電車かバスで大門坂バス停か那智駅まで行くのですが、丁度バスの時間にはまだ30分くらい時間があります。電車の方が那智に着くのは早かったので、そのまま20分くらいの便で那智駅へ。駅近くの補陀洛山寺もお参りできるかな、という腹積もりでした。
しかし、那智駅に着いたのが14時40分くらい。那智大社周辺を歩くとなると2時間半くらいかかるようです。しかもバスの便まで時間がかなりある上に、徒歩だと1時間くらいかかって那智大社の入口である大門坂に着くことになります。なので、お寺は飛ばして、かつ仕方なくタクシーに乗ることにしました…。ここで運転手さんから衝撃の事実「大雨の影響で特急とか急行はないからね!」
ガーン!この日止まる予定の紀伊田辺駅までは鈍行だと2時間30くらいかかります(笑)
さて、10分しないうちに大門坂に着いて、大きな夫婦杉を抜け、濡れた石畳に転ばないようにしながらやや急ぎめで那智大社を目指しました。相変わらず雨は降ったり止んだりしています。
ここは一番お手軽に古道っぽい道を楽しむことが出来る場所でもあります。翌日の中辺路の準備には丁度良いと思いました。
そして登ること15時20分、那智大社到着。
振り返ると、霧が山に登って行くような不思議な光景が広がっています。
いそいそと御朱印とお参りを済ませ、隣の青岸渡寺へ、外観は工事してましたが、お参りはできました。
そこから今度は下って那智の滝を目指します。途中の三重の塔を拝みつつ、16時10分、飛瀧神社のある那智の滝へと到着。
滝は、白い煙のようにフワーッと落ちているようにも見えましたが、岩に当たるとドドドドと大きな音を立てています。しかも結構高い距離から落ちている、ヒエ―。
何とかお参りと御朱印も書いてもらい、16時35分には見終わることが出来ました。
しかし、けっこう駆け足になってしまったのは反省です。
帰りはバスに乗ることにして、これまた50分くらい待って那智駅に戻りました。
さて、電車はそもそもローカル線なので、あまり便がありません。19時25分の出発まで1時間半近く時間がありました。宿のビジネスホテルは素泊まりなので、ついでに晩御飯を食べていくことにしました。それでもまだ15分くらい時間があったので、あたりはけっこうくらかったのですが、歩いて五分くらいの補打洛山寺をサッとお参りして、電車に飛び乗りました。
電車に乗ると、やはり世界遺産になっているだけあって何人かの外国の人が乗り合わせていました。
心なしか皆疲れた顔をしています。夜遅くの電車ということもあるのでしょう。
ちょうど僕の目の前にいた背の高い人に目をやると、たまたま目が合いました。
彼はこちらの服装をみて同じような旅行者だと理解したのでしょう。ニっと笑って右手の親指を立てました。
「今日は一日お疲れ様、よく頑張ったね」
そんな労いのグッジョブです。
僕も思わずフッと笑って一呼吸置いてから、「どこから来たの?」
と聞いてみました。すると彼は僕の隣に来て話始めました。
彼はベルギー人で、語学のために香港に留学しているとのことでした。香港から日本に来て、お伊勢参りをして、なんとそのまま歩いてここまで来たそうです!さすが赤い悪魔(サッカーのベルギーチームの異名)、すさまじい体力です。彼はトーマスと名乗りました。ここまでの道中の大変さ、前日の日焼けっぷり、足の腫れっぷりを写メを見せながら話してくれました。
いくつに見えるか聞かれたので「27」と応えると、なんと21でした(笑)
僕よりもずっと大人びて見えました。ちなみに香港にカワイイ彼女がいます。
彼はここに来るまでの話や香港で勉強していることをたくさん話してくれました。
それに中国語も教えてくれました、ベルギー人から英語経由で中国語を習うという、なんともシュールな展開でしたが、やはり言葉を覚えるのはいくつになっても楽しいですね。
僕に英語を教えてくれた個人塾の先生は「繰り返しは無限の喜び」という名言を事あるごとに言っていましたが、地道に基礎を反復して繰り返すことは、素朴な楽しさと、言葉が身に沁み込んで来る喜びに満ちていると思います。
トーマスくんも僕と同じ紀伊田辺で泊って、翌日はまたそこから歩いて中辺路ルートを通り、熊野本宮に着いてから、さらに小辺路ルートを走破するということでした。
ちなみに小辺路は熊野本宮~高野山間の山を2つ超えるルートで、全行程70km弱あります!つまり、彼は100km以上をほぼ徒歩で歩くということになります。
思わず「crazy!!」と言いました。
彼もそれについては「yeah」とニヤッとしてましたが。
僕は僕で、今の仕事や、コーヒーが好きなこと、神楽をやっていたことなどを話しました。
彼は日本語をちょっとだけ話してくれるんですが、「あなたは優しいですね」と言われました。前職や今の仕事の話を受けての発言でした。
話もポツポツになり始めるころに、ようやく今日の宿がある紀伊田辺駅に着きました。
時間は22時30分を回っていました。僕はバスで滝尻王子まで行くので、ここで彼とはお別れ。良い旅を!と言ってお別れしました。
もし、僕がのんびり旅をしていなければ、もし、電車が遅れていなければ、きっと彼に会うことは無かったのでしょう。2時間以上の退屈なはずの鈍行が、あんなに素敵で楽しいものになるとは思いもよらなかったです。たった一人の気ままな旅をしているからこそのかけがえのなさを、同じように一人で旅をしているトーマスくんから教わった気がします。
今日はこの辺で。
vol.51 熊野・高野山巡り(その2 速玉大社エリア)
こんにちは。
夜行バスに乗って約9時間、午前7時くらいに新宮駅近くのバス停に着きました。
着くとすぐ近くでトンビがピーヒョロロローと鳴いていました。すぐ近くが海と山なので、良い風が吹くのでしょう。
当日の天気は雨が降ったり止んだりの不思議なものでした。
予定では午前中で新宮駅周辺(速玉大社・神倉神社)を、午後には那智大社周辺を回るはずだったのですが、何しろ行ったことのない場所だったので、案の定いろんな所を見ているうちに時間が押してしまいました。
先ず行ったのは、徐福公園、昔の中国、秦から海を渡って日本に来て、そのまま日本で亡くなった人のお墓のあるところです。新宮駅からすぐ近くでバス停を降りて一番に目に付きます。お参りしてすぐ見終わりました。
次に浮島植物園に行ったのですが、時間前だったので開いておらず。
1kmちょっと先の蓬莱山という史跡と近くの阿須賀神社(あすか神社)に行ってみました。蓬莱山は標高48mという小さな山ですが、弥生~古墳時代の祭祀遺物も出土している、古くから信仰対象の場所だったようで、蓬莱山自体は今も禁足地になっています。うっそうとした森のようになっており、ちょっとゾクッとする「なんかいそう」な外観でした。ここの神社で初めて御朱印を書いてもらいました。これを集める人がいるようですね、今回、せっかくなので集めてみようと思います。
そのまま徒歩で速玉大社に向かうついでに、途中で丹鶴城公園(新宮城跡)というところがあったので、寄ってみました。城は無く、石垣のみを残しているのですが、登るとすぐ下に流れる熊野川が見えます。昔は船着き場があって、備長炭などの物資を集積して、江戸などへ出荷していた輸送拠点になっていたようです。
さて、ようやく速玉大社に着いた時点では午前9時30分、この時点ではまだ余裕です。
境内には梛(なぎ)の木があったりします。宝物殿は見ず、お参りして御朱印を書いてもらったりしても30分程度で回れます。境内の奥の方ではぶっといブロッコリーみたいな木がたくさんあります。
出たところで朝ご飯を食べてなかったので、柿の葉ずしを売っているお店があったので、入って買ってそのまま中で食べました。5個入りでサバと鮭のミックスです。
この時点で10時20分。
そこから今度は神倉神社を目指します。途中でお寺があるので見て回ったのですが、けっこうな数あります…。
そして、11時ようやく神倉神社のふもとに着きました。
ここは急な坂の石段が500段近くあるので、入り口で杖を借りて登りました。軍手も付けて、雨で石段が濡れているので慎重に、足場を見ながら登ります。
住民のおじさんが「こんな日は地元の人はあぶのうて登らんよ」と言っていました。
確かに危ないです。
20分ほどして頂上に着いて、お参りしました。大きな石がご神体。何かの拍子でこれが落ちたら大変だ。頂上からは新宮の街が一望できます。
帰りもけっこう怖いです。一歩ずつ足場を確かめながら、必要な場所では手を着いて降りました。
降り着いたのが11時50分くらい。まだ時間はあります。
ネットで調べてみると、新宮から少し離れてしまうのですが、中上健次のお墓があることに気付いてしまいました。
「中上さんは新宮の出身なんだ」
僕自身、ちょっとだけ工事現場で仕事をした時、丁度中上さんのことを知っていたので、何の気なしにお参りしようと思ったのです。中上さんは空港の工事をしながら小説を書いた人、くらいなイメージです。
しかし、これがまたけっこうな時間のロスに繋がってしまいました…。
長くなりそうなので今日はこの辺で。