トリしらべぇ。

いろんなところにアンテナを張って、情報の風をキャッチします。

vol.3 ケニア深炒り(イエゴ農協)についての感想

 今回はせっかくのスペシャルティ(単一農園)ですので、ケニア深炒り(イエゴ農協)についての感想。

 中挽きを使用し、ハリオで飲みやすく淹れました。先ず、深炒りということで、全体的にビターな味ですが、その中でも酸味がキラリと光り、それに少々のコクを感じます、このコクが鼻に抜けるときに余韻を残してくれますね。深炒りの中でも比較的ライトな感覚で飲めるのではないでしょうか。なんとなくケニアと聞くと、ふわっと軽い赤土のイメージがあるのですが、そんな雰囲気です。この酸味はシアトル系ローストのコーヒーでも合いそうです。また、コーヒーの面白いところは、淹れた後、温度が下がることで味に変化が感じられることです。これは単に人間の知覚の問題もあるのですが、ドリップする際の温度も影響するようです。私にはそこまで細かい部分は分かりません。というわけで少し温度が下がるとケニアも旨味がより前面に出てきました。今まで気にせず飲んでいたので、これはちょっとびっくり。味もどういう部分にフォーカスするかで感じ方も変わるんだな~不思議。

 一般的に酸味というと舌に当たる嫌ーなものを連想しがちですが、コーヒーにおいては、鮮度良好なものの酸味はむしろその香味とともに魅力の一端を担っています。

ちなみにコーヒーの味を表現する場合その道のプロでは表現方法にいくつかの指標があります。sweet like chocolateとかfruity like ~(果物の名前)とかがそうなんですが、これは主にカッピングする際の表現方法です。比較的イメージしやすいものから表現することで共通の目印にしているわけですね。次回以降はその点も目安として記しておこうと思います。ちなみに私はカッピングの資格的なものは持っておりません。当ブログではあくまで個人的な感想ですので、その点ご容赦ください。

vol.2 コーヒーとイギリスのお話

どうもみなさんこんにちは。

 

前回のイベントにあたり、少しコーヒーとイギリスの関係について調べてみました。

 

 コーヒーはイギリスでどういう位置づけなんだろうかと調べると、紅茶に負けず劣らず飲まれていたようです。歴史を紐解けば、16世紀後半はヨーロッパ諸国と同じように主に薬として認知されていたためにマイナーであったものが、貴族や上流階級が飲むにつれ広がったり。17世紀に入ると、紅茶を出す店より早く喫茶店ができていたり(イギリスでは喫茶店は当時カフェという名前ではなく、コーヒーハウスと呼ばれていたそうです)。はたまた働いてる人がお酒を飲んで仕事するもんだから事故が増えるという「労働者の飲酒問題」も、代わりにコーヒーを飲む習慣が広まるようになることで、その解決に一役買ったらしいです。

 当時の喫茶店といえば普通のご近所さんが日常的に通うものから、特定の話題を持つ人の集まる情報交換の場までいろいろ。特定の、とは政治経済・新聞出版・文化芸術などですね。その後サロンやクラブへと特殊化するわけですが、以上のようにさまざまな人や情報が行き交う重要な役割も担っていたようです。このようなことから1ペニーあればいろいろ知れるので、ペニー大学なんて比喩も。ピーク時はロンドンだけで約3000店舗もお店ができていたらしいです。現代からみてもスゴイですね。

 

 当時そんなに流行ったのに、というか流行ったからこそ、イギリスでは、コーヒーはその主役の座を紅茶に奪われることになります。奢れるものは久しからず。

 経済的な面では、当時イギリスは植民地でのコーヒー栽培を試みるも、フランス、オランダに後れを取り敗北。また、イギリス東インド会社はフランス東インド会社との争いに勝ち、インドに拠点を置いたために、コーヒーよりお茶!となったようです。

文化的な面では、コーヒーハウスは男の社交場と化していたため、そこに入り浸る夫たちに母ちゃんたちが怒りの声を上げたりも!?。女性によって書かれたかどうかは定かではありませんがこんな内容のパンフレットがあったそうです。

 簡単にいうとコーヒーは女の身体に良くない!ということですね。このパンフにはさらに、男達がコーヒーのせいで無意味なおしゃべりに没頭し、帰ると静かに寝てしまう。コーヒーは性的な興奮ではなく精神的な興奮をもたらすことで、男たちを不能にしてしまう!とまで書かれていたそうです…「不能」の2文字が迫力ありますが、出生率や乳幼児の死亡リスクも今より高かったり、単純に子どもが多いことを良しとする家庭もあったのではと想像すると、夜の営みも今より切実だったのかもしれません。母ちゃん堪忍やで~。もっといえば、子どもの世話も少しでも夫が受け持っていたこともあり得るでしょうから、そうした意味でも家にいないと困るわけですね。使用人雇う家なんて中流以上でしょうから。もっとも、コーヒーハウスもその後パブなどの居酒屋に鞍替えし、男たちは自分の場を確保していくわけですが…いたちごっこ。

 

 また、イギリスではフランスほど焙煎や飲み方のバリエーションが広がらず、大量焙煎大量消費路線、挽いた粉をお湯に浸す「浸出法」がメインで質もイマイチであった(いわゆるダッチコーヒー)のに対して、紅茶は加工後の質の低下が少ないこと、抽出の容易さも相まって量り売りで家庭用に普及、女性受けしそうなカフェなどのオシャレで華やかな雰囲気のモデルケースとともに店が登場しました。極めつけは英国王室もポルトガルから嫁入りしたキャサリン王妃からアン女王に至るまで紅茶推しで、ロイヤルワラント(いわゆる英国王室御用達の証)で有名店には箔が付き、かくして、あっという間にイギリスは紅茶!というイメージの先駆けとなったのでありました。

 

見方を変えれば女性が一国の文化を作り上げた側面もあったり、汝侮るなかれ。

vol.1 tree&treeさんのイベントでお手伝いしました。

こんにちは、秋雨が降り、寒くなってきたと思えば、晴れてポカポカ陽気になったり、秋の空らしい天気が続いております。

 

さて、9/15、16日は本郷真砂町にて、学童保育を運営されているtree&treeさんのところで、英国伝統刺繍スタンプワークとリフレクソロジー体験のイベントがありました。今回、私はそのお手伝いとして、コーヒーや紅茶を淹れさせていただきました。刺繍とリフレ両方したかったけど我慢、いいなぁ…ワンゲルマークデザインとして鳥の刺繍して、リフレ体験で癒されるなんて夢想が炸裂してました。若い方からおばあちゃままで来ていただいて、楽しくおしゃべりに華が咲いておりました。

 イギリスつながりということで、私の方でも何かそれらしいものをお出しできないかなと思い、紅茶は言わずもがな、今回はこちらでブレンドしたものを用意、正確には混ぜただけなのでmixedですが。

 ハーブティはリフレの講師の方から提供していただいたもの、ローズヒップでした。オーガニックでノンカフェイン、さすがです。ローズヒップは甘い香りとフルーティな柔らかい酸味が特徴なので、リラックス効果もバッチリ、ハーブティ初心者の方にも広く飲んでいただくにはうってつけですね。私もディカフェ(ノンカフェイン、極低カフェインのコーヒー)を用意したかったものの、間に合わず。今後は用意したいものでもありますので、お手頃でちょっと良いものがないか探しています。

 ちなみに使わせていただいたカップは瀬戸の焼き物、つまり愛知のものだそうです。手になじみやすく、飲み口も広いのでお茶の香りが広がります。デザインも温かみのあるカラフルな色合いで親しみやすいです。

 今回コーヒーで用意したものは、ブレンドのマイルドと深炒り、そしてケニアの深炒りです。ケニアとだけ聞くとピンときませんが、ジャマイカ・タンザニア・ケニアなどは当時の、そして今も主要な産地であり、イギリスの旧植民地でもありました。有名なブルーマウンテン、キリマンジャロは中でも最高級とされ、王室、貴族へ献上されていたようです。

 

 現在のイギリスでは、午前中からお昼にコーヒーを飲んで、午後は紅茶かディカフェでノンカフェイン・低カフェインというのが一応スタンダードなようです。それでも便利になった現代なので、好きな人は夜だろうが飲むのでしょうが。

 イギリスと言えば紅茶ですが、さて、昔はどうだったのでしょうか?次回はそんなお話。

vol.0 はじめましてと、名前の由来など

 ワンダーフォーゲルと言います。本来なら、ドイツ語でwander(放浪する)にvogel(鳥)で渡り鳥が語源です。そこから主に、(青年運動としての)山野を徒歩する活動という意味のワンダーフォーゲルとなりました。

しかし当ブログタイトルではワンダーの綴りをwonder(不思議な)ともじってます。コーヒーやお茶にまつわるエトセトラを通して、好奇心、ワクワクすること、驚き、楽しみ、などを感じていただけたらなと思います。もしお店が持てたらこの名前にします。

 飲食店経験自体はホール・キッチン両方あるのですが、長らく手荒れに悩まされてきたため、少しそうした仕事としての現場から離れていた時期もあり、まさにいろいろな仕事を渡り歩いた経験がありまして、なんだか腰が落ち着かないな~という意味でもワンダーフォーゲルという名前にしています。故にその道を長く勤めている方からすればまだまだアマチュアです。しかし離れている間もずっとコーヒーのハンドドリップや日々食べる料理はマメに作っていたので、全く何も知らないというわけでもなく。素人以上プロ未満の半可通です。

 でもやっぱり悔しかったりなんだりして、もしお店を出せるならこういうことをしてみたいな、などなど想いを募らせる日々がずーっと続きまして、そんな折、身内以外の人に自分の作ったものを食べたり、飲んだりしていただき、美味しい!という一言がいただけたことがとーーーっても嬉しくて、気づいたらとりあえずブログというカタチで、自分が知ったことや作ったものなどをスクラップしようと思い至り、書き始めることとなりました。

 データベース的なものの場合、本当はホームページの方が後々調べやすいのですが、知識がないのでとりあえずブログにします。料理写真などの画像もできるだけ載せたいです。

 

 当ブログの内容は繰り返しになりますが、主にコーヒーなどのお茶に関すること、具体的にはその時々で自分が淹れたものについての感想などのレポートが中心になると思います。その他細かいこととして、種類や方法などの一杯のお茶ができるまでのこと、またトリビア的なネタとしてその歴史や国についても書けたらなと思います。私は大学で歴史学を学んでおりましたので、そうしたことにも興味があります。少年時代にマスターキートン読んでました(あちらは考古学というより、民俗学的なものが多いですが)。ちなみに発掘経験もあります。

 料理についてはそのうち書けたら書きます。

 

 

 万事、旨ければ良しというスタンスですので、そういう意味では拘りはありません。浅く広く、たまに深くをモットーに続けるよう精進します。未だ道半ば、門前の小僧でございます。