vol.39 おいしいってなんだろな
こんにちは。
元々食べることが好きでおいしいものは大好きなんですが、同じ「おいしい」でも僕の中では二つの「おいしい」があると思っています。
ひとつは素材の質の良いもの、いろんな技術がギュッと詰め込まれた完成度の高いもの、です。
外でお金を払って食べるようなものはやはり「美味しい」と思うんです。そこにはお金を払う価値がある、と考えてみなさんもお店なりに行くと思います。
もうひとつは、ちょっとどういう風に言おうか悩むんですが、例えばよそのおウチでご飯を食べさせてもらったり、昔食べたものを思い出して感じる「おいしい」と言えば、何となくしっくりくるような気がしてますが、そんな感じの料理です。
急に思い出して「あれがまた食べたいなー」っていうとき、ありません?
で、だいたいそういう料理って、「固有名詞がない」ものが本当に多いんですよね。
僕の場合、例を挙げれば「骨付き鳥もも肉のクリーム煮」がその代表なんですが、よくよく調べると「チキン・フリカッセ」という料理が出てくるんです。でも実家で食べていた当時はそんなオシャレな名前なんて一切出てこずに、クリスマスだとかの特別な日に「骨付き鶏もも肉のクリーム煮」が出て来たんです。
生クリームが入っている旨みの強い料理なので、僕ら子どもにはもちろん大人気なんですが、料理は好きだけど大雑把に作る傾向のあった母親は、骨付き肉なのに「中まで良く火を通してない」ということがしょっちゅうでした(笑)
でも、僕にとってはそれでも「おいしい」ものでした。
これって僕にとっては、「外で食べる商品ならクレームになるけど、家庭だから許されること」とは少し違うんですよね。
誤解を恐れずにいうと、ある種の「強く記憶に残るもの」だったのかなと、ふと振り返って思います。人の手によって作られたものはなんにせよ、どこかしらそういった強い体験の記憶があるモノだと思います。そしてその強い体験は、必ずその人のどこかで強い影響として作用する。
それってスゴイ素敵なことじゃないですか?
だってどんな些細なものでも、その可能性を持っているんですから。
そんなことを考えてみました。
今日はこのへんで。