vol24.コーヒーガッコのセンセ
こんにちは。
代官山のメインストリートからちょっと離れた一本道、その落ち着いた街並みの中にあるのは「私立珈琲小学校」です。ちなみに対面奥にはリアル小学校もあります。
マスターもとい先生は、元教師の吉田さん。
カフェとしてはカフェ&ギャラリーという特徴を備え、LOKOギャラリーさんと建物が地続きになっているので展示アートを観ながらお茶が飲めるというオサレなところ。ふらっと通りかかるキュレーターさんともちょっとしたお話が出来て、アートをより身近に感じることができます 。
そして、コーヒーという軸から観るとサードウェーブ系コーヒーの流れを汲んいます。
ここでおさらい、我らが集合知wikipediaさんを見ますれば、ざっくりこんなことが書いてます。
「コーヒーにおけるサードウェーブとは、コーヒーの生産地への配慮や価値などが注目されるようになり、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や淹れ方などそれぞれの工程にこだわり、消費者がその特性を理解できるように適切な焙煎、抽出がなされているものを示す」ようです。
「大きな特徴としては直輸入、高品質、シングルオリジン(単一農園)、浅炒り、ラテ・アート」などが要素として挙げられることが多く、より大きな括りとしては「スペシャルティの一部ともされて」いるとのこと。
さて、センセのコーヒーはどんなもんじゃらほいというと、ブレンドも浅めの炒りのものを楽しめます。浅炒りだと紅茶のようなフルーティなフレーバーが印象的ですが、アイスで頼むとまたフレッシュ感が一段と楽しめるんですねぇ!僕みたいに流行りに疎い人間もこれには参りました、浅炒りのブレンド「アリ」です。
想像してみてください、穏やかな昼過ぎにフレーバーの利いたコーヒーに舌鼓を打ちつつアートを鑑賞し、お客さんとの和やかな会話を楽しんでいると、外では子どもが楽しげに小学校からお家に帰る様を…。
どうでしょう、たった一杯400円のコーヒーで、こんな豊かな情景が楽しめるんです。
さて、それだけでなく、メニューやイベントの出し方一つにしても「学校」の部分にスポットを当てているところは吉田センセならではです。店員さんやイベントで登場される人々を「先生」、イベントを「授業」、メニューを考案するときは「試験」工夫するときは「追試」、新メニューが登場すれば「新入生」、来店スタンプは「出席簿」などなど。至る所にガッコウが隠れていて、思わず「ニヤリ」としてしまいます。
吉田先生の話の巧みさも相まって、そうした魅力に魅かれてくるお客さんはきっと多いはずです。
元教師であるだけにきちんと筋道を立てて、丁寧に教えてくれるだけでなくそれを分かりやすい例えやユーモアも交えて語ってくださるのがのがセンセのスゴイところで、贈り物というお題なら。
「職場の人?僕ならまず考えるのは、すぐになくなるものが良いかな、だって中にはあまり大きなものだと持ちかえるのが大変っていう人もいるじゃない?それと金額、例えばこの前テレビでやってたけど10万円で買い物をしてみるっていうやつ。それに10万円の耳かきが出てきたんだ。10万円でモノスゴイ良いスーツは買えなくても、10万円の耳かきってすごい高価だよね?一体どんな素材を使っているんだろうかとか気にならない?それと同じで1000円のお菓子はたくさんあるけれど、1000円のポテトチップスって食べたことある?中々ないでしょ?そんなちょっとした気の利いたものを同じ金額でも見つけることが出来るんだ、探してみると面白いよ」
とまぁ、こんな風にいかに多くの人に嫌がられないか、いかに多くの人に喜んでもらえるかを考えるということを、センセの視点で語ってくれたりするのです。
そしてトドメの一撃は帰り際にきちんとお店の外まで出て言ってくださる〆の台詞「今日も良い一日を!」
この一言でめちゃくちゃホスピタリティ感じました。