トリしらべぇ。

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vol.61 アンリミテッド・ブレンド・ワークス

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いざ!無限の焙煎!


こんにちは。

 

今回はブレンドしてきました。

 

僕の中でブレンドは、飲む人にとっては「入口」で、焙煎する人にとっては「出口」ってイメージです。

 

なぜなら、僕の場合、最初入ったお店で選ぶのは「その店の基本になる味」というつもりでブレンドを選ぶからです。つまり「ハウスブレンド」です。

 

でも、実際に焙煎をしてブレンドをやってみて思ったのは、ブレンドの組み合わせ自体は、厳密には少し変えただけでも味は変わります。大雑把に変えても幾通りかにはなるわけで、そういう意味ではどちらかと言うと「まとめる」みたいな感覚です。

 

というわけで、「入口」にして「出口」、「はじめ」にして「まとめ」のブレンドにチャレンジです。

 

 

今回お世話になったのはイトーさん(以下:イ)です。

 

イ:「組み合わせは、それこそ”無限大”です。少なくても2種類、多いとこだと5,6種類もの豆を使ってブレンドしますからね」

 

僕:「マジですかー!」

 

イ:「まぁ今回ははじめなので2,3種類でブレンドしてみましょう」

 

前の週にそんな電話でのやり取りをして、今日です。

 

イ:「今日はどの豆にしますか?ウォッシュドの豆もあれば、ナチュラルの豆もあります」

 

僕:「このインドの豆はどうですか?」

 

イ:「うーん、それはちょっと難しいかもしれないですね…」

 

僕:「そうですか…じゃあ、コレとコレとコレにしようと思います」

 

ということで、今回使った豆は3種類。「キリマンジャロ」「グァテマラ」「コロンビア」です。

 

どれも「washed」、水洗方式で精錬された豆です。

 

今回の選択は「基本」の位置づけなので、そんなにずば抜けて個性が強い豆でない方が良いかなと考えました。もちろんどれも品質は良いです。

 

焙煎の度合いはお店のものを参考にハイロースト~シティの間、ということでレッツ・スタート!

 

 

イ:「ちなみに予熱ですが、何回温めますか?」

 

僕:「え、回数でも変わるんですか?」

 

イ:「今回使う小さい方だとそんなに大きな差にはならないですが、5kg釜くらい大容量だとやはりそれだけ大きくなるので、窯に熱が蓄えられるのもそれだけ時間がかかります」

 

僕:「んーこのままで行きます」(目標温度に達したので一旦火を止める)

 

イ:「そういえば、前回までにやった焙煎の中で、参考になりそうなデータがあればそれをモノサシにして焙煎してみても良いと思いますよ」

 

僕:「そうですね!…ってどれだったかな?汗(ゴソゴソ)」

 

イ:「(笑)こんなふうにフォーマットを作っておくと、後で見返しすときに便利ですよ」

 

僕:「た、確かに!あ、ありました!」

中炒りのものを焙煎した時はまだコピー用紙にデータを書いて、そのまま挟んだままだったので、どこにあるか一目でわかりませんでした(汗)データ管理大事!

 

イ:「ちなみに僕はこんな風にスプレッドシートでデータ化してあります」

 

僕:「おおー!!すごい!グラフ化までされている!」

 

イ:「これなら視覚的にも見やすいし、スマホからでも入力できます」

 

僕:「なるほど!か、かっこいい!」

 

イ:「もしくはこうやってノートにフォーマットを作ると随分やりやすくなると思いますよ」

 

僕:「それならこんな感じで3回前くらいからメモ帳に作ってます」

 

イ:「あ、作ってるんですね、さすがです。手慣れてきましたね」

 

僕:「いやーまだまだ聞きまくってます(笑)」

 

イ:「経験を積めばそのうちできるようになります。よければアイスコーヒーどうぞ」

 

僕:「いただきます。あ、これ泡があって甘いですね」

 

イ:「シェイカーで急冷したものです、こうやって泡が出来るとまろやかになりますね」

 

僕:「ギネスみたいですね(笑)」

 

イ:「そうそう、クリ―ミィな泡ってやつです」

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シェイカーでアイスコーヒー。柔軟な発想です。

そうこうしている間に投入温度を過ぎて下がったので、上げ直しました。

ということで、今回は再度温度が上がった後、また目安まで下がってから投入。

ちなみに一回目はコロンビアです。

 

僕:「今回は一番下の温度がいつもより低いですね」

 

イ:「外気などの影響も受けますからね」

 

僕:「前回までの復習で、今回は温度を少し高めにして再点火しています」

 

しばらくして、温度上昇がいつもより早いことに気が付きました。

 

僕:「いつもより温度の上がり方が早いみたいです」

 

イ:「どれどれ…本当だ、いつもより”走って”ますね、でもそんなに特別高いわけでもないので、お好みで調整してみてください」

 

僕:「これはこれでよしとします!」(あまりいじるのが怖いだけ)

 

そうこうしている間にハゼが来て少し経った頃。

 

僕:「そろそろですかね?」

 

イ:「お店のはだいたいこれくらいの色合いですね」

 

僕:「出します」(ザザー)

 

イ:「ハイロースト~シティの間ですね」

 

そして2回目はキリマンジャロです。

 

僕:「やっぱり一番下が前回より下がってて、温度の上がり方が”走って”ますね」

 

とはいえ、これはこれで安定しているのでこのまま行きます。

 

豆を出すタイミングがやや遅れてシティくらいで出しました。

 

イ:「シティ~フルシティくらいですね」

 

僕:「うーん、うっかりしてるとどんどん焙煎が進んで行きますね」

 

3回目、最後のグァテマラはきっちり決めて、1回目と同じくらいで出しました。

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こんな感じで出来上がりました。


 

レッツ・ブレンド

 

さぁ、問題は比率です。

 

とりあえず2種類、コロンビアベースとグァテマラベースを作ってドリップしてみました。

 

僕:「うーん、両方ともコロンビアの印象が強いかなー」

 

イ:「そうですね、でもどちらもそれぞれのベースの味は出てますよ」

 

僕:「キリマンジャロ少なすぎましたね…キリマンジャロベースで作ってみます!」

 

で、試作3号、&等分した4号。

 

僕:「おお!これはこれは中々良いのでは!?」

 

イ:「ベースのキリマンジャロのキリッとした感じが出つつも、コロンビアのオレンジのような風味もするし、グァテマラも上品にうっすらと感じます。なかなか良いと思いますよ」

 

僕:「ブレンドは奥が深いですねー今回は結果的に焙煎度合いが違うものでブレンドしてしまいました(笑)」

 

イ:「そうですね、試しにウチで使っている豆で同じくらいのローストのものを等分でブレンドしてみましょうか」

 

そして試飲。

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比率を変えれば(ほぼ)無限に試飲できちゃう!


 

僕:「こ、これは!うまくまとまりつつそれぞれの個性もあって、なんつーかセクシーですね」

 

イ:「妖艶、な感じですか(笑)」

 

僕:「ええ(笑)というか、スーパージェネラルな感じがします」

 

イ:「ハイローストで酸味や香りも出やすいですからね」

 

僕:「なるほどー、もう少し工夫して自分なりにベストバランスを見つけていきます!」

 

イ:「今回は焙煎した後にウチのものを飲みましたが、次回は試飲してから焙煎すると基準が作りやすいかもしれませんね」

 

僕:「そうですね、次回は飲んでから決めます(笑)」

 

ということで、出来上がったモノは結果的に3種類の豆と2種類の焙煎度合いのブレンドで、これはこれで良かったです。

 

次回はこれを踏まえてもう少し工夫してみようと思います。

 

今日はこの辺で。