トリしらべぇ。

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vol.54 熊野・高野山巡り(その5 中辺路ルート近露~熊野本宮)

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「月の家」での朝食、疲れて食欲が無かったが小豆粥のおかげで回復、胃袋に沁みる。

こんにちは。

 

前回の続きです。

 

近露で一泊して明け、朝の五時半に起きて朝食を済ませると、おっちゃんがまたひょっこり顔を出して紙を見せてくれました。

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継桜以降の見どころポイントとお参りポイントを教えてくれた。

継桜の手前で「野中の清水」という水分補給ポイントがあること、安倍清明が腰掛けた石がある場所などを記した地図で、時間のロスがなく迷わずいけるよう教えてくれました。

 

さて、ご飯も食べて準備もバッチリ、6時15分になって出発の時間です。

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「月の家」前で、味のある素敵なおっちゃん&おばちゃんでした

行く時におっちゃんから「発心門王子と伏拝王子、それと熊野本宮を出る時に、特別なお参りの仕方があるから教える」ということで、神域に入るときの「今日着きました」とか「よろしくお願いします」や「ありがとうございました」的な礼の仕方を教わりました。

 

普通の二礼二拍手一礼とは違って、拍手する前の手を頭の横に広げながら四回、「今日着きました」とか唱えながら最後に1拍手するというやり方ですが、何の流派なんでしょう?知りませんでした。古式か、ひょっとしたら大本教(近露は大本教と縁が深い)のお参りの仕方かもしれないなと考えながら、何となく聞かずにいました。

 

おっちゃんとおばちゃんにお礼を言い、名残おしさもあるけれど出発します。

 

歩いてしばらくして近露の小中学校近くに神社があるのですが、ここは単に地元の神社で、直接は関係ないです。うっかりルートと思ってその奥を調べて、さっそく時間のロスをしてしまいました(笑)

 

その後も舗装道路で微妙に二手に分かれていて、進んだら「ただの民家に繋がる私道だった」とかありました…。

 

近露以降の道では、「ここは熊野古道ではありません」の看板も気持ち距離を置いて設置されているようで、それまでよりやや分かりにくい分岐があったりします。

こういうところで地味に2,30分と時間を削られて、最終地点への到着が押してしまうので、要注意です。

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「野中の清水」今も地域住民の生活のための、重要な水になっている。

そんなこんなで、「野中の清水」で喉を潤し給水して継桜に着いた頃には8時50分。

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「継桜王子」この後、大幅な時間ロスに繋がるできごとが…。

 

丁度、お茶屋の休憩所があり、そこのおばちゃんに継桜はどこか尋ねるとすぐ近くだとおしえてくれたのですが…問題はその後「その先にも広場があるよ、ちょっと歩くけど」という助言でした。

 

後で考えると、そこに何があるのかはっきり聞いておけばよかったのですが、その時なぜか僕は「ひょっとしたらそこに史跡か何かあるのかな?」と勘違いして継桜王子の奥「JTみんなの森」みたいな名前の看板の先を登ること10分弱。

 

着いた先は、「企業の保有林」でした…な、何もねぇー!!!!(血涙)

 

強いて言うなら「ホープ誕生60周年記念植樹」とか、切り株とかはありましたよ(笑)

 

みなさん、継桜王子、神社の奥には史跡とかは何もありません!!!!超注意です!(笑)

僕はここで2,30分ロスしました…。その後、茶屋のおっちゃんと話してると「ここから本宮?7時間はかかるよ」「バス?あー9時のバスが今しがた出ちゃったなー」とか呑気に言われて、2重3重にパンチくらいました(笑)

 

この時点で9時15分、途中バス停のある「発心門王子」まででも5時間はかかるようです。地図に所用時間も記されていたのですが、キチンと一つずつ拾ってメモなりして合計時間を出していなかったのがアダとなりました。このままでは16時に着くことになってしまう=神社の参拝時間が短くなってしまいます。

 

次のバスが来るのはなんと11時台…何よりバスで飛ばしてしまう区間にスタンプラリーのスポットもありました。

 

僕はここで賭けに出ました。熊野本宮までの道を大雑把に3つの区間に分けて、それぞれ30分くらいずつ短縮できれば、15時、遅くとも30分には着くかもしれない。

 

まぁ、これも甘い計算だったのですが、さっそく継桜からダッシュしました(笑)。

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ダッシュしたけど、ちゃっかり安倍清明の腰掛け石には座りました(笑)

幸い、「熊瀬川王子」までは舗装道路の区間があったため、15分くらい短縮できました。

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迂回ルートを示す看板、隣に1時間30分ほどかかると別の看板で示されています。

「これはイケるかも!?」と思ったのもつかの間、そこから先の迂回路のルートは、一番初めの「滝尻王子」に次いで登り坂の続く峠道でした。とにかく急がなければと相当無茶なペースで坂を登っていたのですが、これがまた坂の終わりが見えてこない!(笑)

時間もお昼に近くなっていたので日差しもけっこうきつかったです。

 

ようやく登り終えたと思ったら、今度は下り、しかも石段や木の根っこ、道幅の狭いところなど、ペースを上げにくい区間が続きます。

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「蛇形地蔵」。地蔵の後ろの石の模様が蛇の鱗に見えることからついた名前らしい。

でも、途中に舗装道路もあったおかげで、迂回ルートをなんとか1時間で進めました。

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三越峠(みこしとうげ)の入口、ここまでくればあと少し…のはず。

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猪鼻(いのはな)王子、あとちょっとで発心門!

ここまでは本当に見事に峠道でほとんどペースを上げることができませんでした。

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そしてついに見えてきた!

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発心門王子!あと2、3時間!(笑)

ようやく熊野本宮の入口「発心門王子」です。ここから2時間30から3時間ほどで本宮に着きます。時刻は13時30分、イケる!ここまで、地味に普通の舗装道路とかあったので変わり映えしなかったりで、古道的な面白みに欠けるところもけっこうあったので、それも疲労の一要因になっていたと思います(笑)

 

スタンプラリーがなければ、僕もバスでここまで来ていたかもしれません(笑)

 

ここからはダイジェストでお送りいたします(笑)

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発心門からまた古道らしい道が出てくる

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水呑王子

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伏拝王子

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遠くに本宮が…ここからは見えない?

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熊野の「三軒茶屋

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九鬼ヶ口門

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払殿(はらいどの)王子跡、時刻は15時39分!あとちょっと!!

そして、ついに!

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こ、これは!

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やっと本宮に着いた!!!(涙)

時刻は15時45分。感想は「ま、間に合った」でした(笑)

最後のスタンプラリーも押して、御朱印もゲットしました、大満足。

 

その後は大湯ノ原も参拝

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大湯ノ原の大鳥居、デカイ、超デカイ

その他、近くの末社もお参りして、何とか16時45分発の「湯の峰」行きのバスに乗れました。本当に間に合って良かった(笑)

 

九鬼ヶ口門から少し先の道で知り合った、カリフォルニアから来た旅行者とバスの中で話しました。彼女はスペインの方の巡礼道も行ったことがあるそうで、いろいろと熊野古道との違いなどを教えてくれました。是非行ってみたいです。

 

 

そんなこんなで中辺路の二日目はトレイル・ランみたいなことになってしまいましたが、道を間違えたりしなければ、15時~15時半には普通のペースで着けたと思います。

 

今回は、たまたま天気も良かったですが、雨の中だともっと遅れていたことを考えると、初心者にしては運が良かったおかげで何とかなったんだなと思います。

普通の舗装道路もあったので走ることが出来ましたが、登山道なら絶対に遅れていたと思います。

 

みなさんもトレイルや登山の旅程はきっちり計画的に!

 

長くなりましたが、今日はこの辺で。