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vol.49 「毎日がアルツハイマー」

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シネマ・チュプキさん、小じんまりしてて、落ち着く

こんにちは。

 

今日はドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」を観たのでその感想を書いていこうと思います。

 

今回は田端にあるCinema Chupki(シネマ・チュプキ)さんで観ました。

丁度14日から「毎日がアルツハイマー・ザ・ファイナル」が上映されるので、それに合わせて1と2を同時上映していました。

 

映画館というと大きな箱を想像しがちですが、チュプキさんは固定座席15席、車イス席3席、補助席を出しての最大25席というミニシアターです。ですが、日本初のバリアフリー映画館であり、ユニバーサル・シアターということで視覚障害聴覚障害のある方にも映画を観たり、聴いたりできるような設備とサービスを備えています。(一部引用wikipediaさんより)

 

丁度おなかが空いていたので、「近くにパン屋さんはありますか?」と聞いたところ、「サンドイッチ屋さんがあります」ということで行きました。FILL'S(フィルズ)というサンドイッチ屋さんで、旨そうなサンドイッチが並んでありました。ここは17日にリニューアルしてもっと美味しくなるようなので楽しみです。ちなみにチキンカツサンド食べました。食べ応えのあるサイズでおいしかったです。

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FILL’Sさん、ウマいもんセンサーが反応しまくり


 

さて、映画の感想です。

1と2を30分の休憩を挟んで観たのですが、1は93分、2は50分だったので、ダレることなく観れて良かったです。扱っているテーマから重い内容だと思われる方もいそうですが、実際はパッケージデザインのように基本的に明るいトーンで描かれているので思わずこちらも笑うような場面も出てきます。

 

1は監督の母親が認知症と診断されてからの話、2は老人精神医学のイギリスのヒューゴ先生に監督が会いに行き、それを実践するケア施設を訪れる話がメインになっています。

 

映画ではPCC(パーソン・センタード・ケア)という概念が出てきます。この考えを提唱したキッドウッド教授によると、「認知症を持つ人々の行動や状態は、認知症の原因となる疾患のみに影響されているのではなく、その他の要因との相互作用である」(引用:毎日がアルツハイマー・ザ・ファイナルのHPより)とのことで、重要とされる5つのアプローチが登場します。

 

1、脳の認知障害

2、健康状態

3、個人史

4、性格

5、社会心理学

 

PCCではこれら「全ての」アプローチを行う、ということでした。認知症といっても人によって本当に違いますし、状態の変化も日々変わってくるわけで、そうした「予測不可能」な中で、ひとつひとつ「探偵のように」どうしたら良いかを考え、実践する、ということでした。

 

映画内で印象的だったのが、「常識的な対応をすれば誰にでもできるというものではなく、実際には高度なスキルを必要とする仕事」だとイギリスのケア施設の看護師が話をしていたことです。

 

それと「虐待」は、最初から悪い人がするものではなく、普通の人が癇癪を起し、耐えきれなくなってある日怒りを爆発させ、その先に虐待が起こる、という話も耳に残っています。だからこそ、介護をする人もケアが必要なんですね。

 

この辺は介護の資格を取る時や研修でも折に触れて出てくるところです。

 

なぜ僕がこれを観たかというと、今現在、仕事として介護士をしているからです。

 

その前職は「ツリー&ツリー本郷真砂」で学童保育カフェスタッフ(過去記事にその時の様子がありますが、ほとんどコーヒー紹介してます笑)だったのですが、地域のいろいろな人が来れる場所として機能していたので、ちょうどそこに近くの小規模多機能施設「ユアハウス弥生」からお年寄りの方も来ていて、何度か接しているうちに「そう言えば、僕は介護的な知識も技術もないな」と思ったことがきっかけです。

 

そこの小規模多機能を運営しているところで、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)という、介護の一番窓口になっている資格を取り、いろいろな施設を観ながら、「終の住処」と呼ばれる特別養護老人ホームで働くことを決めました。終の住処というものの、ターミナル(終末期)の方は多くはなく、いわゆる要介護度や認知症の度合いの進んだ利用者さんが生活する場所、です。

 

といってもキャリアとしては1年ちょいの浅いものですが、上司からの評価としては「接遇は良い」という評価をいただいています。あとは同僚からは夜勤のときに僕と一緒になると、「比較的利用者が落ち着いて寝ている」ということも言われました。

 

普段キャラが薄いのと、あまり余計な気配を立てないようにけっこう気を遣っていることの結果、ということにしておきます(笑)

 

最初は時間に追われることも多かったのですが、その辺も何とか慣れてきました。が、この辺の見通しの甘さはまだまだあると思います。段取りと手際の良い人は本当に仕事が丁寧で、早いです。

 

あと、僕なりに一番注意を払っているのが、不穏になった方、もしくはなりやすい方への接し方です。不穏になること自体は問題ではないのですが、その後の生活に影響が多少は出てくることを考えると、できるだけ落ち着いて過ごしてもらえるように接したいものです。そういう時、僕はかなり集中した感覚で繊細に利用者さんの様子や言葉を感じながら、やり取りをしています。結果から言うと上手く行く時もあれば、行かない時もあります。

 

けっこうMPを消費して疲れますが、できるだけメンタルケア的な部分は丁寧にやっていきたいです。僕の場合、恐らく生きていく中である種の観察力に優れている節があり、そうした部分が、学童保育の時にも活きたことで気付いた部分です。それと比較的語彙が豊富なので、比較的年齢の区別なくコミュニケーションを取ることができたことも役に立っています。ほとんど無意識に、心理学でいうところのミラーリングとかやっていたみたいです。なんだか末っ子ここにあり、みたいな感じがしますが…。

 

もっとも、誰とでもスムーズにできるわけではなくて、相性的に苦手な人ももちろんいまし、利用者さんのその時の状態によってはキツイときもあるので、決して万能な能力というわけでもないようです、残念。

 

と、いう感じで日々四苦八苦しながら、周りの人たちに助けられながら、どうにかこうにかお仕事しています。

 

14日からのザ・ファイナルを楽しみにしつつ、24日にヒューゴ先生の来日トークイベントがあるので、行ってきます。映画より先に予約しちゃいました(笑)

 

 

今日はこの辺で。