vol.35 「いつかさん」と、いつか観た机
※「いつかさん」の看板
どうもこんにちは。
某月某日、『いつか珈琲』に行ってきました。
きっかけはたまたまですが、何となく、今までの自分が触れてこなかった世界に触れてみたくなって足を運びました。それは焙煎の世界です。
僕にとって焙煎は話を聞く限りでは、何となく「敷居の高い世界」でした。が、話を聞くだけではなくてそこに行って体験したい。というか、そもそも何かしらの「世界」=場所が持つ雰囲気って、その場所ごとに独特の空気感が流れているものですよね。
加えてそれまで自分が経験したことや知ったことをもう一度丁寧におさらいしたいという理由もありました。
初めて行った時、すごい緊張して変なテンションでお店に入ったことを覚えています。
豆を選んでお会計をしながらどう言おうか頭がグルグル回っていたのですが、この時キャッシャー近くにあった珈琲の袋とかを納めている「木の机」を見た時に、すごい既視感があったんですね。
それは今は無き実家にあったものと同じ形の、両サイドから長い板を引き出して、机になる部分を降ろして使うような、古い机だったんです。
(あーおんなじような机だ、懐かしいな)
それを見た途端ふわっと、昔の家の記憶が蘇ってきました。「ウラの家」と呼んでいた母屋にある少し薄暗い小さな部屋。そこにある同じ机、小さかった自分がそこでどういう風に毎日過ごしていたか。すっかり忘れていた匂いや色合い、埃の具合まで鮮明に思い出せました。
(あーここはそういう机があるお店なんだなぁ)
と思って、安堵感があったのを覚えています。
それで、元気ハツラツな若者が目の前で手早く明るく元気よく接客してくれて、すごいエネルギーを感じてコミュ症全開になりなそうなくらいかなり危うい感じだったのに、突然踵をクルッと返して店主さんに向かって行って「ば、焙煎ってできるんですか?」とウルトラ不器用な直球で伝えました。コミュニケーション的には完全にボークボールを投げました笑。
ですが、店主さんは少し眉を上げただけで、「できますよ」と落ち着いたお返事をいただきました。すごいホッとしました。
「また来ます、ありがとうございました」と言って、この日は遅いこともあってそのまま帰ることにしました。これが僕の「いつか」さんとの出会いです。
今日はこの辺で。
vol.34 ここはコーヒーの三丁目
こんにちは。
ここに行ってみようと思ってお店に入ることもありますが、フラフラ歩くのが性分なようで、だいたい彷徨ってます。徘徊ではアリマセン。
彷徨ってたらgo back to 昭和、ということで、今回は「喫茶店」です。
駒沢通り沿いの「三丁目のコーヒー屋」。中目黒の三丁目です。
店内は落ち着いた照明、座りやすい椅子、棚には漫画と、座った瞬間に根っこが生えてくるスタイルです。
「うしおととら」とか「はじめの一歩」とか「三国志」とか、果ては「のらくろ」とか置いてます。ええ、ありますよ、「かりあげクン」。
あ、少女コミックものもあります。
読んだことあっても「あれ?あの話どの巻だっけ?」とか思っちゃいますねー、手に取っちゃいますねー、そして読んじゃいますねー、続き気になりますねー、読んじゃいまs(re
夕飯の食材「魚のアラ」が家に無かったら危うく無限ループにハマるところでした……。
メニューも「浅炒り」ではなく「アメリカン」、「グァテマラ」ではなく「ガテマラ」表記だったりするのもポイントです。
帰りしな、お店の人にどのくらいやってるんですかと聞くと、
「38年です」
と言われました。
モノの本やらwikiさんにも1970~80年代は個人店の喫茶店が流行った年、とされているので、その頃ですね。
ご近所さんの憩いの場になっているようで、皆さん思い思いに過ごされていました。
ちなみに下ると「祐天寺」、上ると「ブルーボトル」さんがあります。
「サード・ウェーブ」と「三丁目」で「祐天寺」と覚えましょう。
時代順になっているので実に分かりやすい。
「祐天寺」の時代が開けていますね。
ホップ・ステップ・ジャンプです。
今日はこの辺で。
vol.33 漢(おとこ)の!
コーヒー豆にも色々な焙煎やドリップに”系統”というものがある。「コーノ」といえばいくつかのお店はあるけれど、僕の中では「cafe reels」が真っ先に思いつく。
豊島区雑司ヶ谷 副都心線 鬼子母神前近くにあり、「西洋釣具珈琲店」と書いてある通り、リールもディスプレイしてある。そのおかげか、店内はちょっとアウトドアな雰囲気がある。
サイフォンで提供するのがスタンダードなようだが、機会があればネルでのハンドドリップも飲ませていただけるようで、僕は未経験の楽しみとしてとっている。
ケーキなどのスイーツは奥さんが作っているようで、マスターのパワフルな雰囲気のするコーヒーに上品でオシャレなスイーツの組み合わせが良い。聞くところによると奥さんはル・コルドンブルーを卒業したらしい。ぜひ一度食べていただきたい。
さて、こちらのマスター、ガタイも良く、迫力のあるせいか、なんというか男が憧れる「趣味だねぇ」というキーワードがどことなくしっくりくる。釣り具はもちろんのこと、車やバイク、ミリタリー物にも造詣が深いようで、常連さんらしき方との会話の端々からそんな風なことを感じていたのだ。
「あの車は~~で~で」などという話を聞いてしまうと、ついムズムズしてくるが、その道はより深淵なるものの道であることを経験上良く知っているので、カップを持つ手にグッと力を入れてしまった。
門前の徒にはしかるべき作法というものがあるものだが、あえてそこを外して試しにウッカリ「リボルバーは弾詰まりがないのが良いんだよね(ドヤァ)」とか中二よろしく言ってみると良い、きっと十字砲火の洗礼(いわゆる愛の鞭)を浴びるだろう、そして行きつく先は「フルメタルジャケット」のごとき男の世界、かもしれない。
vol.32 JICA(ジャイカ)じゃい!
どうもこんにちは。
JICAの10周年設立イベントに行ってきました。
いろいろとエスニックな雰囲気が漂う中、各団体の活動を見ていると、
「フィリピン コーヒーの森づくり事業」なるものが。
丁度、活動報告中だったので、聞いてきました。
フィリピンに限らず、コーヒーベルトに掛かっている地域ではコーヒーは割と生えていて、住んでる人が個人で採って焙煎して飲むという習慣はあったようです。が、個人で消費していたものに関してはその品質は現在のメジャーどころに比べると低いです。しかし、国内で流通していてそれなりに消費されているようで。(9.5万tだそうです。ちなみにブラジルが290万tでトップです。)
で、フィリピンでは大規模伐採や鉱山開発、焼畑などにより森林減少した地域を、森林農法によるコーヒー栽培をすることで森林再生と収入向上の両方をクリアしようという試みがなされているとのことです。
質問タイムがあったので、品質向上は何を基準にするのか伺ったところSCAAのカッピング資格を持つ人による協力の下、品質向上を目指すとのことでした。
丁度、粉で売られていたので買って飲んでみました。品質的にはまだまだこれからですが、こうした取り組みが実って、美味しいコーヒーが増えるのが楽しみです。
今すでにある美味しいものを見つけるのも素敵なことですが、これからのものが育っていくのを見守るのも素敵なことではないでしょうか。
と、同時に今流通している普通のコーヒーでさえ、どれだけお手頃で美味しいのかを再確認しました。
帰りしな、エスニックど真ん中のカレーを食べて、各ブースを見回って何気に楽しんできました。すげーなJICA。
vol.31 中炒り譚
こんにちは。
ようやく九月に入って、何となく落ち着けるようになってきました。
最近の雨のおかげで気温も下がり、何となく空気感的に秋めいてきましたね。
それもそのはず旧暦的には秋の季節なわけでして。
というわけで、前回のtortoise coffeeさんとこのブラジル(ウォッシュド)をなんとなく淹れてみると、これがドンピシャで「あ、良い感じ」ってとこにハマるんですね。
やはり自分の中で中炒りはコアなイメージだなと思うわけです。
思えば中学の3年生くらいだったでしょうか、当時通っていた個人塾のセンセが淹れてくれた一杯に触発されて、僕の中でのファーストインパクトとなったわけです。
世間的にはスターバックスが出来た頃なのでセカンドインパクトですけどね。
よくよく思い返すとその頃から自分で淹れてました、もっとも当時は市販の粉で大して気を使うこともなく淹れておったわけなんですが。飲み慣れていないからこそ、目新しさに対する感動は大きいわけです。
話を戻しましょう。
さて、中炒りってやっぱ真ん中で、浅炒りと深炒りの両方を少しずつ感じれると思います、そこが良い。
あとやっぱり飲む環境が大きくて、気候が落ち着い時期に飲むと安心します。
そしてブラジルはブレンドのベースで広く使われることも多く、個性がすんごい強いわけでもないし、価格もめちゃくちゃ高いわけでもない。さりとて存在感がないわけでないという「いぶし銀」ぶり。
ゆえにブレンドのベースになりやすい縁の下の力持ち、それだけ普遍的で「コーヒーってこういうイメージだよね」という部分にヒットしやすいんではないでしょうか、実に素晴らしい。
といってもtoroiseさんとこのブラジル豆、サイズも大きくて焙煎した感じも綺麗なんですよね、良い仕事しててホント素敵過ぎです。
長野は上田近辺にお立ち寄りの際は是非行ってみてください。
vol.30 「tortoise cofee 」
こんにちは。
今回は長野に行ってきた時にいただいた豆屋さんをご紹介。
その名も「toroise cofee」さんでございます。
(お尻がプリチーなロゴデザイン)
このトータスブレンド、中深入りほどの焙煎で、フレーバーはチョコレートな印象が強いです、クリームたっぷりのケーキなんて相性抜群ですね。
コーノ式で淹れたものを飲ませていただきましたが、コクがあってまろやかな口当たりが印象深かったです。
でもそれだけじゃない。我が家に帰って自分の淹れ方でやっても良き味を出してくれました。
きちんとフローラルな酸味も感じられ、なんともお上品な部分もあるのがさすがブレンド。自分の淹れ方でもコーヒーの持ち味が出ているように感じられると嬉しくなります。
次の機会にはロースタ―の人に会いに行こうと思います。
実はまだこちらの焙煎屋の豆で、ブラジルのウォッシュドもあるから楽しみ。
地方にも美味しいコーヒー豆屋さんができて嬉しい限りです。
見識を広めるためにもいろんなとこ飛んで回りたいっすねー!
今日はこの辺で。
vol.29コピ・ルアク
こんにちは。
(ジャコウネコさんがコーヒーの実を食べる様子、猫というか狸っぽい)
コピ・ルアクというものがありましてですね。
インドネシアでは採れたコーヒーの実をジャコウネコに食べさせて、おなかの中で発酵、その後排泄されたものを採取して加工してコーヒー豆にするという、まぁ平たく言うとう○ちコーヒー(笑)なわけですが、インドネシアのスマトラコーヒーの特徴として僕が感じたことは、ちょっと豆っぽいというか、納豆っぽいというか、独特の風味があって面白いんです。
その中でもこのコピ・ルアクというのは以上の手間がかかってるわけで、珍品というかそれなりに希少価値が高いとされてます。
で、当然特産品として土産物屋で売られているわけでして、付加価値が非常に高い≒お値段も高い
そんなものをお土産物としていただきまして、高い高いとは知っていたのですが、価格を聞いて予想の上をいっていたことに驚愕。
現在、国内で買える一般的なカップオブエクセレンスを受賞した豆、例えばゲイシャ種なんかですと100g2000円~3000円くらい?だったと思います。
それよりは高かったです(笑)
まぁ買った場所が空港のお土産物屋さんコーナーみたいなとこだったらしいので、そういうものなのかな―とも思います。しかもピーベリー。
ピーベリーとは、本来なら一つの実に二つの種が取れるものがコーヒーの実なのですが、片方の実が成熟して一つの種のみが大きくなるというもので、全体の10%くらいしかできないこれまた貴重なもの。味は違うという人もいますが、個人的にはピーベリーだから大きく変わるかというよりは、ちょっと違う、という具合です。
さてコピル・アク、さすがスマトラコーヒーの特徴があります。
以前も飲んだことはあってネルドリップで淹れてもらったゆえか、もっと豆豆しい印象が強かったのですが、今回はペーパーでやや粗めに挽いてみました。そのせいか味の印象はちょっと紅茶っぽいというかフルーティなコーヒーらしからぬ印象がありました。この印象は使ったドリッパーとそれに伴う淹れ方のせい(お湯が落ちるのが早い)もあるとは思いますが、近年の酸味をうまく活かしたコーヒーにも共通する部分です。やっぱりそれだけ特徴的な味って目立つんですかね。
久しぶりに珍しさ満載のコーヒーを飲みました。
以下余談。
「価格」という点でパッと思い出したのが、究極の逸品路線を突き詰めた人で、コーヒーハンターの川島良彰さんは有名です。銀座などで「ミカフェート」を経営し、東京大学のコーヒー研究会にも所属する方です。
この方のコーヒーはですね、シャンパンボトルにコーヒー豆が詰められていてですね、それも川島さんなりの適した保存の一つらしいです。
で、サイトで値段を観たら、100gが約1万円くらいでした、PCの前でブリッジしそうになりました。いつかミカフェート行って飲んでみたいもんです。
さすが世界のコーヒーハンター…。
「レアなコーヒー豆をGETだぜ!ブルボン種、君に決めた!」
「みんなもコーヒー、GETじゃぞ?」
オーキド博士まで出てきたんで今日はこの辺で。